上海でインフルエンザ

承前*1

Cai Wenjun “Shanghai’s first suspected flu victim” Shanghai Daily 25 May 2009


上海初の新型インフルエンザ感染者。メルボルン発の中国国際航空機に乗っていた。ちょうど私たちが上海に戻る前日。日本領事館のメイルからメモする;


1.上海市及び浙江省の感染確認(中国第10、11例目)
 5月25日、中国衛生部は、上海市及び浙江省において新型インフルエンザ(H1N1型)感染事例が確認された旨公表しました。上海市及び浙江省においては、初めての感染確定事例となります。
 中国(香港を除く)での感染確定者は、これで、四川省1名、山東省1名、広東省1名、北京市5名、福建省1名、浙江省1名、上海市1名の計11名となりました。
 
(1)上海市における確定病例
 感染が確認されたのは、オーストラリアの大学で働いていた30歳の中国籍男性で、5月23日午後、CA178便でメルボルンから上海に到着しました。中国入国時の検査で体温が38.8度だったため、空港の検疫職員により上海市内の感染症病院に移送され、隔離治療となりました。同患者によると、21日午後から鼻水が出て、22日午後には発熱の自覚症状があり、自分で検温したところ39.2度だったので解熱鎮痛剤を服用したとのことです。
 5月24日、上海市疾病予防コントロールセンターが患者のサンプルについて検査したところ新型インフルエンザウィルス陽性となり、25日、中国疾病予防コントロールセンターの再検査でも陽性が確認されました。
 現在、患者の病状は安定しているとのことです。また、上海市衛生部門は濃厚接触者48名に対して引き続き医学観察を実施していますが、体調を崩している濃厚接触者はいないとのことです。また、現時点では、本件に関連して日本人が医学観察の対象になっているとの情報はありません。
(2)浙江省における確定病例
 感染が確認されたのは、ニューヨークの大学で留学中の20歳の中国籍男性で、5月22日早朝、MU588便でニューヨークから上海に到着、更に同日午前に上海から温州に移動しました。22日、患者は発熱の自覚症状があり、23日に病院に行き検温したところ38度であったため、入院措置となりました。喉の痛みや咳などの呼吸器症状があったとのことです。
 温州市疾病予防コントロールセンター及び浙江省疾病予防コントロールセンターが、患者のサンプルを検査したところ、新型インフルエンザウィルス陽性となり、25日、中国疾病予防コントロールセンターの再検査でも陽性が確認されました。
 現在、患者の病状は安定しており、既に判明している4名の濃厚接触者は定点医学観察を受けていますが、異常な症状はあらわれていません。浙江省の衛生部門は関係部門とともに、この他の濃厚接触者の捜索を行っています。また、現時点では、本件に関連して日本人が医学観察の対象になっているとの情報はありません。
ところで、上海では市中でマスクをしている人は(今のところ)全くいない。また、Shanghai Daily 25 May 2009のDong Zhen, Lu Feiran & Dong Hui “Flu boosts domestic tour market” という記事によれば、先月末から上海の2つの空港における国際線利用者はインフルエンザの影響で急速に減っており、その代わり、中国国内旅行が活性化しているという。