チェロと棺桶(メモ)

承前*1

急いでメモ。
東急電鉄のフリー・マガジン『SALUS』*2(Vol.99、2009年6月)で、飯尾洋一という方、『おくりびと』を巡って曰く、


駅のホームや電車の中でチェロ奏者を見かけることがある。彼ら(彼女も多い)は大きなチェロケースを抱えていて、とても目立つ。あんな巨大なケースを運ぶのは大変だろうと思うが、小柄な女性でもこれを担いで颯爽と歩く。まるで楽器が自分の分身であるかのように、いつも一緒だ。
そう、まるであのケースにもう一人いるのではないか、という錯覚すら起きる。本当は大人一人が入るほどには大きくないが、それでもつい連想してしまうのだ。棺を。「ドラクエ」で仲間のヒットポイントがゼロになると、主人公の勇者が後ろにぞろぞろと棺を連れて歩く。あの光景を思い出す。
チェロはどこか人体を思わせる。音域も人声に近い。チェロ奏者から納棺師への転職は、ファンタジーの世界では一本筋が通っている。(p.23)
また、泉麻人のコラムがあって、横浜市港北区に「神隠」というバス停があることを知る(p.41)。