仏像泥棒@京都

『読売』の記事;


京都の名刹で仏像連続盗難、同一犯?1年余りに11件

 京都府内の寺などで昨年以降、仏像などの窃盗事件が相次いでおり、府警の調べによると、同様の被害は計11件に上っている。

 府警は6日、被害寺院の一つ、仁和寺京都市右京区)で防犯指導を実施した。今後、約220社寺で防犯カメラの設置や施錠の徹底などを呼びかける。

 府警によると、昨年の被害は8件。被害に遭った仏像などは、文化財指定を受けていない小型のものばかり。府警は、同一犯の可能性もあるとみている。

 仁和寺では10月、西側の巡拝コース「御室八十八ヶ所」の四十四番札所「大宝寺」に安置されていた江戸時代末期作の本尊十一面観音像(高さ約20センチ)がなくなった。9月中に盗まれたとみられるという。

 御室八十八ヶ所では、2000〜01年に40体以上の仏像が盗まれる事件があった。

 昨年にはこのほか、9月に等持院京都市北区)で足利尊氏や義晴の木像の左手首、10月には毘沙門(びしゃもん)堂(同市山科区)本堂に安置されていた毘沙門天像が盗まれた。12月には東寺(同市南区)の毘沙門堂に安置中の不動明王立像が被害に遭った。今年も、建仁寺(同市東山区)の木造十一面観音坐像(ざぞう)など3件の被害が発生した。

(2009年2月6日19時43分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090206-OYT1T00859.htm

この中で、仁和寺等持院はけっこう近い。等持院だけ「足利尊氏や義晴の木像の左手首」だけって、怪しくない? 営利目的だったとして、「木像の左手首」だけで売り物になるのか。
等持院では、文久3年(1863年)2月23日に、尊皇攘夷分子によって足利尊氏足利義晴足利義満の木像の首が切り落とされ、三条河原に梟首されるという事件が起きた*1仁和寺は御室御所とも呼ばれ、宇多院以来天皇との関係が深い寺であり、第二次大戦敗戦時に昭和天皇が退位して仁和寺に出家するという計画もあった*2

*1:See http://www.samurai-do.com/wadachi1/ashikaga.html http://blogs.yahoo.co.jp/goodlife5152/14580228.html

*2:このことについては、高橋紘、鈴木邦彦『天皇家の密使』という本で最初に知ったかと思う。

天皇家の密使たち (徳間文庫)

天皇家の密使たち (徳間文庫)

See also http://blogs.yahoo.co.jp/namoamidabutsu18/37900705.html