「呪殺」?

『読売』の記事;


「呪殺」「死」…殺害された中大教授宅周囲に落書き


 中央大教授殺害事件で殺害された、同大理工学部の高窪統(はじめ)教授(45)の東京都世田谷区成城の自宅を、ぐるりと取り囲むようにして、周辺の計7か所の電柱に、「殺」「死」などと書かれた落書きが見つかった。


 落書きは、高窪さんの自宅を中心に、半径約150メートルの範囲にあり、自宅から最も近い東に約30メートルの電柱には「呪殺」と書かれたほか、「殺」が4か所、「死」が2か所で書かれていた。北へ約150メートルの飲食店近くの電柱に書かれた「殺」だけが赤色で、そのほかは、黒いスプレーを吹き付けたような書き方。すべてが高窪さん宅のある成城2丁目で見つかった。

 周辺住民の証言や文字の形跡から、いずれの落書きも、高窪さんが殺害された14日よりも前に書かれたとみられ、警視庁は今後、事件との関連性を慎重に調べることにしている。

 高窪さんの自宅は、閑静な高級住宅街の一角に立っており、近所の複数の住民は、「事件前に書き込まれていたようだ。不気味で気持ちが悪い」などと話していた。

(2009年1月17日03時06分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090117-OYT1T00020.htm

中央大学理工学部構内で教員が刺されたというニュースを最初に読んだとき、まだ犠牲者の氏名などがわからなかったのだが、或ることを思い出した。実は私の恩師は中央大学理工学部の某先生と同姓同名で、ネットで検索すると、その中央大学の先生に関する記事ばかりヒットするのだ。それで、もしかして? と一瞬思ったのだが、直ぐに別人だと判明した。
さて、成城の〈呪いの言葉〉だが、この殺人事件と関係があるかどうかはわからない。殺害以前から現れていたということなのだが、事件には関係のない誰かの鬱憤晴らしである可能性もある。この種の言葉が落書きされているというのはけっこうしばしばあるのだ。もし関係があるとしたら、〈警告〉ということなのだろうか。呪いというのは物理的というよりは情報的・心理的な攻撃で、俗な言葉に直せば嫌がらせに近いのだろうけど、物理的に殺してしまっては洒落にならない。
大学構内で教員が殺されるということで、1980年代に広島大学で起こった事件を思い出した人も少なからずいたようだ。これは助手がなかなか昇進させてくれないことに恨みを抱いて、講座の教授を殺した事件。また、1980年だったと思うが、駒澤大学の或る歴史学の先生が(その真偽については私にはわからないが)カクマル幹部と認定されて、ゼミ合宿中に襲撃され・殺されるということもあった。最近の話だと、昨年10月に北京の中国政法大学で教授が授業を開始しようとしていたちょうどその時、学生に刺し殺されたという事件があった*1

呪術的ディスクールについては、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070626/1182850626も参照のこと。