Noah Webster

Jim Shelton “'Dictionary Man' Noah Webster Was Born 250 Years Ago Today” http://www.istockanalyst.com/article/viewiStockNews+articleid_2712820.html
JOSHUA KENDALL “The definition of Yankee know-how” http://www.projo.com/opinion/contributors/content/CT_kendall18_10-18-08_EPBUOEH_v5.3e28b77.html


今年はNoah Webster(1758-1843)が生誕して250周年。ウェブスターというと、例の辞書を思い出すが、彼は1783年に刊行したAmerican Spelling Bookや1806年のCompendious Dictionary of the American Languageによって、英国式とは区別された米国式のスペリングを確立したが、これは「言語的独立宣言」であったという。当時の北米大陸は多言語が錯綜する状況で、英語話者は多数派を占めていたものの、多くの方言に分岐し、スペリングの統一は為されていなかった。他方、「キングズ・イングリッシュ」は〈敵の言語〉でもあった。ウェブスターによるスペリングの提案はこの矛盾を解消し、北米大陸における英語の覇権確立を促すものだった。良くも悪くも、米国の言語状況、また英語を巡るグローバルな言語状況は*1ウェブスターに発するということになる。
勿論、ウェブスターの業績は言語学だけでなく、ジャーナリストや医学者としても評価されているらしい。また、米国政治思想史においては、1785年に刊行されたSketches of American Policyが重要であるらしい。「強力な中央政府」の確立を主張したこのパンフレットは「我々の憲法の最初の体系的なモデル(the first articulated model for our Constitution)」(Howard Lamar)と言われる*2

なお、(英国)英語と米語については以下も参照のこと;


AMERICAN ENGLISH VS. BRITISH ENGLISH: Or whose language is it anyway?” http://www.americansc.org.uk/Online/berube.htm