徐佳和「魯迅手書唐詩《聴弾琴》近期展出」『東方早報』2008年10月10日
上海の虹口公園にある「魯迅紀念館」では近く日本から寄贈された魯迅の書を展示する。増井経夫*1に贈られたもので、1935年12月14日に書かれた。唐の劉長卿の「聴弾琴」;
寄贈したのは古西陽子女士で、田中慶太郎の外孫、増井経夫の娘に当たる。田中慶太郎は漢籍・「目録学」の権威で、20世紀初頭に北京に留学し、帰国後家業を継ぎ、書店「文求堂」を経営し、漢籍の販売と学術書の出版を行った。1932年に文求堂は『魯迅創作選集』を出版している。増井経夫は1935年12月に、岳父の依頼を受け、魯迅に療養のための日本移住を勧めるために上海に渡った。
冷冷七弦上
静聴松風寒
古調雖自愛
令人多不弾
なお、記事によれば、現在「魯迅手跡」として市場に出回っているものの95%は贋物であるという。
*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080103/1199340478
*2:但し、行に分かたれてはいない。縦63.5cm、横34.2cm。