「彼女が欲しい」?

http://d.hatena.ne.jp/heartless00/20080908/1220866568


〈恋に恋する〉っていうのはあるかも知れない。だから、「おかしい事」ではないと一応は言える。しかし、一方で、


 “彼女が欲しい”、かぁ。

 

 問いの立て方が、今風だなと思う。○○ちゃんと付き合いたいとか、××さんと一緒に夕食を食べたい、とかじゃなくて、“彼女が欲しい”。「○○さんにアプローチする方法を教えて欲しい」や「好きな女の子とお喋りするノウハウを教えて欲しい」という問いをみると、ああ、この質問者は誰かに恋してるんだな、と思うんだけど、「彼女欲しい」と「俺モテない」という独白からは、コミュニケートしたい・交際したい対象としての異性の影はあまり浮かび上がってこない。渇愛の念は強く感じられるにしても。
http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20080908/p1

ということにも深く頷いてしまう。また、「好きな人ができる方法」なんていうのは教えられる筈はないですよ。実のところ、恋愛には〈するもの〉ではなく〈落ちる(fall in)もの〉だという本源的な受動性がある*1。それは端的に起こるものであって、それに関しては誰の意志も関与できないだろう。誰かが出逢いの場を設定したとしても、恋愛が始動するかどうかは誰にもわからない。回りくどい言い方をしないで、〈ナンパ〉のノウハウを訊ねればいいと思うけれど、それと恋愛とを混同してはいけないだろう。もし混同したままで世間的に出世して、社会的地位とか金権とかを手に入れたらどんな酷いことを惹き起こすのか、かなり予測可能である。