ヌーディスト・ビーチと「風化」など

李銀河*1「裸泳與風化」http://blog.sina.com.cn/s/blog_473d53360100acve.html


最近広東省珠海にヌーディスト・ビーチ(裸体海灘)をつくる提案した人がいて、それに対して賛否両論が盛り上がっているという。反対派の根拠は「有傷風化」。この「風化」という言葉、勿論日本語で使われる地質学用語もあるが、ここでは良風美俗のこと。「有傷風化」は良俗を害するという意味。李女士は「風化」なるものは「随時空不同而有所変化的」であるという。1950年代の米国では海岸でビキニを着ている女性を警察が「有傷風化」という理由で拘束していた。しかし、仏蘭西のニースに行けば誰もヌーディスト・ビーチに驚いたり、「有傷風化」を感じたりしない云々。
さて、日本人とヨーロッパ人の肌の露出の感覚について、最近北原みのりさんが書いている*2。これについて、昔、ヨーロッパのような緯度の高い処に住む人にとって夏の間の日光は貴重だからという自然主義的説明を読んだことがあるが、その妥当性や如何に? ただ、この感覚の違いについては、産経新聞の西貢特派員だった近藤紘一氏も指摘していたと思う(『サイゴンから来た妻と娘』)。近藤氏の奥様はヴェトナム人である。また、裸体の文化的意味については 和田正平『裸体人類学』をマークしておこうか。

サイゴンから来た妻と娘 (文春文庫 こ 8-1)

サイゴンから来た妻と娘 (文春文庫 こ 8-1)