「一般文芸」

承前*1

http://d.hatena.ne.jp/solar/20080629


TSUTAYA ONLINEの「文芸書」というカテゴリー*2が変な件。また、オリコンの「一般文芸」*3というそれ自体が怪しいカテゴリー。
また、郊外では「新刊でもなく、まだ文庫にもなっていない本を探したければ、ブックオフなどの新古書店か、図書館に足を向けるしかない」という話。曰く、


学校図書館でも公立図書館でもいいのだが、「郊外型書店やブックオフでしか本に出会えない地方の子供たち」のために、書店以外にも、もっと多種多様な本との出会いの場所をつくる必要があるのではないか。そのせいで本屋が潰れたってかまわないと思う。書店ビジネスの多くは、もはや出版とは別の論理で動いている。小田光雄のいうとおり、近代出版流通ビジネスは終焉しつつある。つまり、「出版社と書店の蜜月時代」は終わったのだ。出版社が書店の顔色ばかり見ていても仕方がない。いまの書店には魅力を感じない、次世代の読者の期待に応える方法を考えるほうが、はるかに重要だと思うのだが。
また、近所のブックオフの方が新書や文庫の品揃えが充実しているので、「新刊書店」の方は「叢書や人文書に力を入れざるを得ない」という話も面白い。
それから、

『キャリー』はいまなら送料を別にすれば、1円で買える。でもそれは、この小説の価値がないことを意味しない。あまりに市中在庫があるので、あらたな文脈を示さない限り、本に商品価値がないだけである。その意味で、小林多喜二の『蟹工船』がこれだけ売れるのも、「文脈」の勝利である。『蟹工船』のコンテンツなら、すでに著作権保護期間が過ぎており、青空文庫で公開されている。http://www.aozora.gr.jp/cards/000156/files/1465_16805.html 出版とはコンテンツを売る商売ではなくて、コンテキストを売る商売である。
というのもメモしておく。
ところで、以前Skeltia_vergberさん*4と話をしていたこととも関係あるのだが、ブックオフというのは地域によって品揃えにかなり差があるようだ。ブックオフの品揃えによって、その地域のリテラシーの度合いが判断できるかも。