芥川龍之介賞

『読売』の記事;


芥川賞に初の中国人・楊逸さん、直木賞井上荒野さん


 第139回芥川賞直木賞日本文学振興会主催)の選考会が15日夜、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は、日本で中国語講師を務める楊逸(ヤン・イー)さん(44)の「時が滲(にじ)む朝」(文学界6月号)に決まった。

 芥川賞を中国人が受賞するのは同賞史上で初めて。また、在日韓国・朝鮮人の受賞例はあるが、日本語以外の言語を母語とする作家の受賞も史上初めてとなる。

 直木賞井上荒野(あれの)さん(47)の「切羽(きりは)へ」(新潮社)に決まった。

 楊逸さんの「時が滲む朝」は、理想に燃える中国の大学生が民主化運動に加わり、1989年の天安門事件で挫折するまでと、その後の人生の苦悩と哀歓を、みずみずしく描いた青春小説。

 芥川賞選考委員の高樹のぶ子氏は「人間が必死で生きている手触りが強烈で、国境を越えて来なければ見えないものが描かれている。文章もスムーズ」と評価した。

 楊さんはハルビン市生まれの中国人で、1987年に留学のため来日してから、日本語を習得した。お茶の水女子大学を卒業し、昨年11月、文学界新人賞を受けたデビュー作「ワンちゃん」でも芥川賞候補になった。

 贈呈式は8月22日午後6時から東京・丸の内の東京会館で。副賞は各100万円。
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20080715-OYT1T00573.htm

See http://chinese.people.com.cn/GB/7463091.html