脳科学?

今香港の秋葉原(?)旺角の近くのホテル*1におりますが。雨の香港についてなどは、上海に戻ってから書くとして、秋葉原殺人事件*2についての変な記事を或る人経由で知ったので、取り敢えずメモ。『産経』の記事なり;


秋葉原通り魔事件】暴発は脳の機能不全? 脚光浴びる脳科学 (1/2ページ)
2008.7.8 21:55

 8日で発生から1カ月となった東京・秋葉原の無差別殺傷事件の加藤智大(ともひろ)容疑者(25)ら若者の暴走による凶悪犯罪は、大きな社会不安となっている。加藤容疑者の場合、携帯サイトの書き込みに熱中しており、識者は「脳の機能不全が影響しているのではないか」と指摘する。相次ぐ凶悪犯罪に、文部科学省も年度内に設置する徳育に関する有識者会議で「脳科学」との関連性を検討していく考え。今後、脳科学研究が本格的に脚光を浴びそうだ。

 加藤容疑者の携帯サイトの掲示板への書き込みは3000件超。職場や親への不満、職場でのトラブルなどの「心の闇」がにじみ出ていた。馬居政幸静岡大教授(教育社会学)は「この世代は少子化が進んで多様な人間関係がなく、コミュニケーション能力がない。対人型のカウンセラーには行きづらいので、気軽に悩みを相談できる携帯サイトの拡充が必要だ」と話す。

 『ゲーム脳の恐怖』の著書がある森昭雄日本大教授は「人を殺すことの善悪がつかないのは記憶、感情などを司る前頭前野が機能障害を起こしているからではないか。同種の事件は今後増えるだろう」と懸念。「茨城県土浦市の8人殺傷事件の容疑者はゲーム中毒だった。格闘ゲームをはじめとしたゲームは反射神経で反応するだけで、思考能力が働かなくなる。凶悪犯罪を起こした容疑者の脳の状態を科学的に分析する必要がある」と指摘する。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080708/crm0807082159046-n1.htm

感性・脳科学教育研究会の会長を務める高橋史朗明星大教授は「米国の大学では、自己抑制機能をつかさどる眼窩(がんか)前頭皮質の臨界期(学習が成立しなくなる限界の時期)は3歳までとする研究成果が発表されている。幼少期に愛着が形成されなかったことが相次ぐ事件の一要因の可能性はある」とみる。

 文科省は既に「脳科学」について検証している。平成17年に脳科学の知見をまとめた報告書で、(1)興奮抑制作用があり脳の海馬(かいば)の近くにある「ベンゾジアゼピン受容体」の機能不全が、子供がキレる現象に関係がある(2)側頭葉の内側にある扁桃(へんとう)体の機能不全が攻撃性を高める可能性がある−との学説の重要性を確認。さらに解明すべきだとした。

 渡海紀三朗文科相は、「脳科学との関係を懇談会を考えている。何かわかるかもしれない」と、脳科学による若者の暴発行動の解明に期待を寄せている。


ノー携帯デー提唱の声も

 インターネットやゲームなどと子供の心の関連性についての研究は、民間団体を中心に始まっている。接触時間が長いほど、自尊心が低く暴力的になりがちな傾向も浮かんでおり、識者からは「ノー携帯デー」を勧める声が出ている。

 文科省NPO法人「子どもとメディア」に委託した調査によると、「ときどき人や物を叩(たた)いたり殴りたくなる」子供の割合は、携帯電話やパソコンなどのメディアとの接触が平日6時間超だと61.6%で、接触しない子供の4倍以上に上った。「自分が好き」な中学生はゲーム接触時間が2時間以上の場合、顕著に低かった。

 ノンフィクション作家の柳田邦男氏は、「携帯電話やインターネットは依存症になりやすい。自分の主張を発信し続ける掲示板に熱中すると、自分が世界の中心にいるかのような錯覚に陥る。匿名発信により、ゆがんだ二重人格になる傾向もある」と指摘する。

 その上で、「がんじがらめにする必要はないが、携帯電話、テレビやゲームに接触しない日を定期的に設けて対人関係の良さを味わわせることが大切だ」と話している。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080708/crm0807082159046-n2.htm

ちょっとアレな人たちが勢揃いしているという感じ。森昭雄については、以前http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060116/1137440431http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060308/1141789582で言及したことがある。また、(どなたかがこいつには「右脳」しかないと言った)高橋史朗という人が「脳」に関心を持っているということは知らなかった。さらに、「感性・脳科学教育研究会」という団体の存在も初めて知る。記事には註釈もないということは、世間的には有名な団体だということか。
あとは、柳田邦男氏に突っ込みを入れると、「自分の主張を発信し続ける」blogに「熱中」しても、自分が世界の片隅にいるという認識しか起こりませんけど。「自分の主張を発信し続ける掲示板に熱中すると、自分が世界の中心にいるかのような錯覚に陥る」というのはどなたの経験に基づいているのか。もしかして、ご自分の?

今し方、雷が鳴った。香港で雷鳴を聞くのは初めてだ。