「緊急保護羌文化遺産工作基地」

承前*1

「譲羌笛可以永遠吹奏下去」『東方早報』2008年6月19日


6月19日に、「緊急保護羌文化遺産工作基地」が成都に成立した。四川大地震の被災地のひとつである北川は人口16.9万のうち10万を羌族が占め、中国唯一の羌族自治県であるが、「北川羌族民俗博物館」では400点以上の文物が毀損され、さらに多くの「非物質文化遺産」の継承者が地震の犠牲となった。
ところで、記事には「羌笛何須怨楊柳、春風不度玉門関」という王之渙の詩の一節が引用されているが、これは四川について詠んだものではない;


黄河遠上白雲間
一片孤城万仞山
羌笛何須怨楊柳
春光不度玉門関
Cited from http://pub.ne.jp/yosh/?entry_id=1217984
また、北川という土地の〈中華文明〉にとっての重要性は禹の出生地であることか*2

さて、戴伊編訳「”弃書投網”是一場文化危機」(『東方早報』2008年6月18日)という記事によって、日本の衆参両院で「有関国民読書年的決議」が採択され、2010年が「国民読書年」となるということを知る。これを提案したのは西岡武夫であるという。具体的に何をするのかはわからない。
書物ということだと、先日日本に帰ったとき、円高の恩恵か、洋書が割安になっているなと感じた。