一九七二―「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 (文春文庫)
- 作者: 坪内祐三
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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坪内祐三『一九七二』を読んでいるのだが、「南沙織が紅白に初出場した夜に」という章に、「実際、一九七二年はちょっとした沖縄ブームの中で年が明けた(明けようとしていた)」(p.156)とある。ここで語られているのは(後に篠山紀信と結婚した)南沙織(pp.156-160)の紅白初出場と東峰夫「オキナワの少年」の芥川賞受賞(p.156)である。あのフィンガー5のデビューもこの頃じゃなかったっけ。坪内氏がいう「沖縄ブーム」というのは1972年5月15日の沖縄返還に絡んでのことだが、その頃、ヤマトンチューにとって〈沖縄文化〉がどのように意識されていたのかということは知らない。喜納昌吉が、そして紫やコンディション・グリーンがヤマトでブレークしたのは1970年代後半に入ってからのことだ。沖縄といえば、その頃琉球切手がバブル的に値上がりしたということを憶えている。
坪内氏は言及していないが、南沙織は東京に出てきて上智大学に入学した筈。同時期にデビューしたアグネス・チャン(香港)も上智大学だったが、〈外〉と結びついた上智系アイドルの系譜というのは早見優(布哇)以降どうなっているのか。
最近、土井裕泰の『涙そうそう』を観た。〈妹の力〉の挫折?
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