市井人養成ギブス?

承前*1

大学生が抱いている「暗黙の前提」として、


1. 大学教員が課すレポートには、正解がある。
2. その正解について、世界中のどこかで誰かがすでに明らかにしている。
3. その正解は、ネット上に公開されている。本屋ましてや図書館などにその正解は存在しない。
4. そこに制限時間内(=提出締切まで)にアクセスし、正確に書き写すことによって、合否が判断される。
http://qulaxics.g.hatena.ne.jp/monodoi/20080206/p1
また曰く、

考えてみれば、このような学生はセンター試験などいわゆるテストで判別できるわけがないのです。なぜならまさに上記に列挙したうち1.および2.の前提でこそ高得点が叩き出せる仕組みが、いわゆるテストだからです。
教育制度が「博識の市民」ではなく、(シュッツがいう意味での)「市井人」を作りだす仕掛けである可能性。さらに、詳しく問うには、山本哲士の仕事とかを参照するべきか。
ところで、恩師のH先生は、自らが担当していた「文化人類学」の試験中に、(久米明の口調で)ヌアー族は高層住宅に住んでいて、蛇口を捻ると牛の小便が出てきて、みんなそれで頭を洗うという法螺を吹いたと自慢されていたな。因みに、ヌアー族に関するちゃんとした知識については、例えばエヴァンズ=プリチャード『ヌアー族の宗教』とかを参照してください。
ヌアー族の宗教 (上) (平凡社ライブラリー (83))

ヌアー族の宗教 (上) (平凡社ライブラリー (83))

ヌアー族の宗教 (下) (平凡社ライブラリー (84))

ヌアー族の宗教 (下) (平凡社ライブラリー (84))