上海美術館にて

少し久しぶりに上海美術館*1へ行く。
現在規模の大きな展示が同時に3つ行われている。FABRICA: LES YEUX OUVERTS*2、『鏡頭中的東瀛――日本摂影藝術作品展』*3、『日本浮世絵名作展――江戸美人画的魅力』*4の3つである。『鏡頭中的東瀛』は1930年代から2007年代までの日本における写真表現を概観したもの。ただ、そのため、一人一人の作家の作品点数は少ないので、それが欲求不満になるということはある。『日本浮世絵名作展』は歌川国貞(三代目豊国)、歌川国芳、渓斎英泉の作品を集めたもの。浮世絵を観るのはかなり久しぶりなので、それだけで単純に嬉しい。ところで、浮世絵の西洋美術への影響というと、印象派後期印象派への影響が語られることが多いが、コラージュという技法において、ダダイズムシュールレアリスムへの影響というのはどうなのだろうか。
それよりも印象に残ったのは、〓*5敏の陶器による立体作品の小規模な展示*6。「美人魚」、「双生」、「五官」のシリーズ。特に「美人魚」シリーズのグロテスクなエロティシズムは歌川国芳に通じるか。