『読売』の記事;
イスラエル国家がパレスティナ人に対して行っている所業は「ナチス」と較べてどうよという突っ込みはさておく。
イスラエルでネオナチ集団逮捕、旧ソ連出身のユダヤ系移民
【エルサレム=三井美奈】イスラエル警察は9日、ナチス・ドイツの指導者アドルフ・ヒトラーを崇拝する8人のネオナチ集団を逮捕したと発表した。
イスラエルは、ナチスによるユダヤ人虐殺を生き延びた被害者が中心となって建国しただけに、ネオナチの存在は国民に大きな衝撃を与えている。
8人は16〜21歳で、いずれも旧ソ連出身のユダヤ系移民。同国中部ペタハティクバで、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)に出入りする信者やアジア系移民、同性愛者を次々と襲撃していた。報道によると、自宅でヒトラーの肖像や拳銃が見つかり、押収されたビデオには、8人がナチス式の敬礼をしたり、麻薬中毒者を路上でひざまずかせ、「ユダヤ人」であることをわびるよう脅したりする様子が映っていた。
イスラエルは、ユダヤ人には無条件で国籍を与えており、8人は子供のころ、両親と移民したらしい。同国には1990年代、旧ソ連から100万人以上のユダヤ系が流入。現在、国内人口の約6分の1を占めるが、イスラエル社会にとけ込まず、ロシア語を使いながら独自の共同体を作っているケースも多い。
逮捕者の1人は、腕に「白人パワー」という言葉を刺青しており、ユダヤ系としての自覚が薄い「白人至上主義者」だったと見られる。
オルメルト首相は9日の閣議で、「イスラエル国民なら、だれでも無関心ではいられない」と話し、教育制度を見直す必要があると強調した。
(2007年9月10日20時5分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070910i213.htm
記事で描かれているのはとんだ〈非ユダヤ的ユダヤ人〉だったわけだが、その一方で、新参の旧蘇聯系の移民はいきなり最前線の入殖地でアラブ人と対峙させられたり、宗教右派政党の有力な支持基盤になったりというようなことも聞く。
ところで、ナチス物のポルノ映画(女収容所長にいじめられたりする奴ですね)はイスラエルで作られているということを、アンドレア・ドウォーキンの「イスラエル:それは結局のところ、だれの国なのか」(『批評空間』II-3、1994)というテクストで読んだことがある。