太宰治の表紙

『読売』の記事;


太宰「人間失格」、人気漫画家の表紙にしたら売れて売れて


 太宰治の代表作「人間失格」の表紙を、漫画「DEATH NOTE(デスノート)」で知られる人気漫画家、小畑健さんのイラストにした集英社文庫の新装版が6月末の発行以来、約1か月半で7万5千部、古典的文学作品としては異例の売れ行きとなっている。

 「恥の多い生涯を送ってきました」という文章で知られる「人間失格」は、太宰が自殺する1948(昭和23)年に発表された自伝的小説。生きることの苦悩を見つめた小説には若い世代のファンが多く、52年刊の新潮文庫は602万5千部と夏目漱石「こころ」と並ぶ大ベストセラー。90年刊の集英社文庫でも40万部を超えている。

 従来の集英社文庫の表紙は抽象画だったが、編集部は、「いかにも名作」という路線から脱却を目指して小畑さんに表紙絵を依頼。新装版は、「デスノート」の主人公を思わせる学生服姿の男の子が不敵な顔で座るデザインとなった。

 文芸作品と人気漫画家のイラストという異色の組み合わせはインターネット上でも話題になり、「このコラボはすごい。カバー買いしました」との声も出ている。同文庫編集部は「コミックを読む層が興味を示しているようだ。若い読者に手にとってもらえれば」と話している。

(2007年8月17日20時48分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20070817i514.htm

「文芸作品と人気漫画家のイラストという異色の組み合わせ」というけれど、たしか1980年代に角川文庫の夏目漱石作品のカヴァー・デザインが一斉にわたせせいぞうのイラストになったことがあった。そのことによって、夏目漱石の売上は伸びたのか。