中上健次生原稿

『毎日』の記事なり;


中上健次:幻の生原稿 「千年の愉楽」の3編発見 



 和歌山県新宮市出身の芥川賞作家、中上健次(1946〜92)の代表作「千年の愉楽(ゆらく)」の生原稿が見つかり、遺族が「中上健次資料収集委員会」(新宮市立図書館内)に寄贈した。中上は88年に東京都八王子市の自宅が火災に遭い、生原稿のほとんどが焼失。同委が保管する生原稿の多くは火災以降のものだけに、貴重な資料だ。

 「千年の愉楽」は、老婆(オリュウノオバ)の語りとともに、「路地」に生きる人々を描いた作品。6短編を収録し、今回見つかった生原稿は「半蔵の鳥」「六道の辻」「天人五衰」の3編計68枚。6短編は、文芸誌「文藝」に連載後、82年8月に河出書房新社から出版された。生原稿は、文藝の編集長だった故金田太郎さんの遺品から見つかり、受け取った中上の妻かすみさん(東京都日野市)が寄贈した。

 中上が愛用したB4判の集計用紙に万年筆で書いたものと、一部は原稿用紙。行替えなしでびっしり書き込まれている。

 文芸評論家、高澤秀次さんは「千年の愉楽はセンテンスが長く、読点の少ない文章を意図し、ある意味では言文一致以来の近代小説とは別の文体を創造しようとした。書き上げていくプロセスを浮き彫りにするものとして、今後の研究に格好の材料となる」と話している。【神門稔】

毎日新聞 2007年6月6日 20時51分 (最終更新時間 6月6日 23時37分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070607k0000m040099000c.html

spongeyさん*1、またお習字のお手本が増えたんじゃないですか*2