朝和食を食べると学校が楽しいらしい?

http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20070529/1180418903
http://d.hatena.ne.jp/sava95/20070529/p3


明石要一という方が「千葉、東京、鳥取の1都2県の小学校4校の5年生計231人を対象」*1に調査したところによると、朝食に和食を食べる子どもは洋食を食べる子どもよりも早起きで、また学校を「とても楽しい」と感じる割合が高いということだ。ところで、savaさんが指摘しているように、「和食」派と「洋食」派の比率が記事では言及されていない。それぞれのサンプル数が著しく不安定だったら、そもそも比較の意味がなくなる。また、これもsavaさんが指摘されているように、統計学的には殆ど意味をなさない数字がわざわざ言及されているので、これを書いた記者は統計数字を読むスキルが低い人なのだろう。さて、統計的な相関関係を出しただけでは学問は終わらず、その相関関係を説明するもっともらしい(plausible)理屈(理論)を構築することが重要なのであり、それよりも何よりも統計調査をするからには仮説が先ず最初にあり、それに基づいて調査票がデザインされ、質問文が書かれた筈なのであり、その意味では理屈(理論)こそが先行しているといえる。しかし、何故かその理屈の部分は記事では言及されていない*2。そもそも「和食」か「洋食」かというのだって、定義があやふやだ。ということで、具体的な質問文や調査票を見てみないと何ともいえないということはある。
ところで、学校を「楽しい」と感じることって、それ自体でいいことであるとはいえない。そもそもつまらないものを「楽しい」と感じるのは馬鹿だということもいえてしまうわけだ。
さて、明石要一という先生については何も知らなかったが、そのプロフィールはhttp://www.edu.chiba-u.jp/all/professor/22.htmlにあり。また、『朝日』の千葉版にインタヴュー記事あり*3。ネクタイのご趣味があまりよろしくありません。ただ、「親の経済力の格差は、子どもの学力だけではなく、体力にも影響を及ぼしている」というのはそうだなと思った。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sava95/20070529/p3に全文引用されている共同通信の記事。

*2:『朝日』も同じ調査を採り上げているが、そこでは「和食」vs.「洋食」というのは言及されていない。また、よくわからないけれど、理屈らしきものも少し言及されている。http://www.asahi.com/edu/news/TKY200705290152.html

*3:http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000150704180001