塀の中のフーコー

http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_2a54.htmlにて知る。


 April Simpson “Unlearning preconceptions: Program offers joint classes to college students, inmates” http://www.boston.com/news/education/higher/articles/2007/05/17/unlearning_preconceptions?mode=PF


米国のマサチューセッツ州の幾つかの大学では、学生が刑務所に出向いて囚人と一緒にある特定のテクストを読むというセミナーを行っている。今までに読んだのは、ソロー、フーコークッツェーカフカ。「うに」さんによると、今後アレントマルクスアマルティア・センのテクストもラインナップされているという。また、この取組はマサチューセッツだけでなく、階級や人種の差異に基づく「偏見」を乗り越えるために、全米的に行われている。
現実に囚人である人がフーコーの『監獄の誕生』をどう読むのかというのは凄く興味深いが、それはともかく、他人と同じテクストを読んで、かつその他人がそのテクストを(自分とは同じではない仕方で)どう読んだのかということを読むという経験は貴重だと思う。日本の大学でもやってみる価値はある。また、この同じテクストを一緒に読むというのは国際理解教育の方法としても有益だと思う。