風邪を引かされる子どもたち?

http://d.hatena.ne.jp/sava95/20070416/p2とかhttp://d.hatena.ne.jp/sava95/20070416/p1によると、例の「全国学力テスト」の「予想問題集」が発売されていたり、本番を控えた「模試」を行っている学校もあるそうな。データの精度を保証するためには、「模試」を行った学校のデータは有効サンプルから外すべきだろう。
これも「首相をはじめ文教族教育再生会議などがあちこちで「学校を競争させる」と主張している以上、「学校単位での点数は発表しない」と言われても、学校側としては安心なんかできない」ということに起因しているのだろう。昭和30年代の「全国学力テスト」の際には、平均点を底上げするために、出来の悪い生徒を一時的に〈特殊学級〉に移籍させた県もあったという。もし私が校長だったら、最も安易に思いつくのは、〈出来の悪い生徒〉にはその当日風邪を引いたことにしてもらうということである。実際、どれだけ風邪を引かされるのやら?
ところで、全国調査の学術的・政策的意味は認めないわけではないが、これを悉皆調査でやる統計学的根拠ってどうなの? まあ、世間ではランダム・サンプリング等々が理解されず、ランダム・サンプリングされた1000サンプルの調査よりもランダム性が確保されていない1万サンプルの調査の方が信憑性を持ってしまうということもある*1。まさか、そのような世間に迎合したということではないですよね。
「全国学力テスト」は小学6年生で4時限、正味3時間を費やすのだという。savaさんは「中学受験に関係のないごく普通の6年生が、4時間びっしり机に向かってエンピツを握り、アタマを使い続けるなんてできるのだろうか。すごいストレスだろうなあ」という。多分、それは(有効票から排除すべき)いい加減な回答の増加を帰結すると思うのだけど、如何? それよりも、普通のアンケート調査でインフォーマントを3時間拘束するとすれば、かなりの拒否率と相当の謝礼金を覚悟しなければならないだろう。