角力は神事か


5号館のつぶやき : 相撲は八百長やってもいいのでは?*1を読んで父親の持論を思い出した。曰く「スポーツはBS1で放送するけど相撲だけBS2で放送するから相撲は芸能」。なるほど。確かに他のスポーツだったら延々とやるときであっても大抵BS1だなと。NHKは相撲を芸能として認定しているということでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/NOV1975/20070202/p4
なるほど。BS1とBS2の差異ですか。
たしかに角力は「スポーツ」ではない。角力角力だというしかないだろう。また、力士は尋常の人間ではない。何しろ、金剛力士の化身なのであり、それは遠く印度のガルーダにまで遡ることができる。だからこそ、力士は四つ足を食べずに鶏を食べる。四つ足は手をついて負けることに通じるということもあるのだが。また、だからこそ、人々は力士の身体に触って、その神聖な力のお裾分けに与ろうとする。これに匹敵するのはアントニオ猪木のびんたくらいだろう。

誰があなた達に、炊き立てのご飯を食べられるようにしてくれたか。誰があなた達に冷えたビールを飲める体制を作ってくれたか。そして何よりも、誰が安らかな眠りや、週末の旅行を可能なものにしてくれたか。私たちは誰もが、そのことに感謝を忘れないことだ(http://d.hatena.ne.jp/sean97/20070201からの孫引き)。
私なら先ず力士に「感謝」しろといいたい。それは何よりも力士が日々四股を踏んで地霊を鎮めているおかげなのだ。
ところが、数十年前から角力の宗教性は揺らいでしまっている。角力、とりわけ横綱の神聖性は江戸時代以来の都市住民の心性のほかに、角力の家元である熊本の吉田司家によって支えられていたといえる。吉田司家は勿論宗教法人であった。しかし、1980年代に吉田司家は宗教法人としては異例の倒産をしてしまった。それ以降の横綱は宗教的な裏付けのない世俗的な横綱であるといえる。

ところで、過去20年分くらいのスポーツ新聞のバックナンバーを図書館で調べて、7勝7敗力士の千秋楽での勝率を算出した人がいる。その人によれば、9割を超える。