方言と距離

承前*1

取り敢えずメモ;


方言は「標準語より親しみやすい言葉」などと言われることもありますが、それは言い換えれば「相手との距離感が少ない」ということでもあります。コミュニケーションに苦手意識を持っている人は「対人関係に一定の距離を置きながら」生活している人が多いですから、方言より標準語が使われやすいのかもしれません。
http://d.hatena.ne.jp/crowserpent/20060915
これは私にとっての〈ですます調〉と似ているかも知れない。〈ですます調〉(それも外国人向けの日本語教科書に出ているようなもの)で話す利点は、社会関係への配慮からの解放である。つまり、かなりの程度、ジェンダー・フリーでエイジ・フリーでステイタス・フリーな話し方だということ。
方言ということで思い出したが、渡辺美智雄という栃木弁をウリにしていた政治家がいた。この人と親交があった方に伺ったのだが、彼はプライヴェートでは栃木弁を一切しゃべらず、標準語しかしゃべらなかったという。政治家にはこういう例は少なくないのかもしれない。田中真紀子も選挙区と東京とでは、明らかに言語をスウィッチしている。