メスを入れるタブー?

『読売』の記事;


乳児の脳手術拒否、両親親権を家裁が停止…手術は成功

 脳に病気を持って生まれた乳児の手術を宗教上の理由で拒否した両親に対し、大阪家裁が昨年、児童相談所の請求から約1週間後、「親権の乱用」として親権停止の保全処分を認めていたことがわかった。

 医師が一時的に親権代行者となって手術を実施した。手術は成功し、乳児はその後、親権を回復した両親の元で育てられている。親権停止決定には通常、数か月を要するが、医師が親権代行者を引き受けたため、今回のような短期間での決定につながったという。

 関係者によると、乳児は昨年、関西地方の病院で誕生した。脳に異常が見つかったが、両親は「神様にお借りした体にメスを入れられない」と手術を拒み続け、自宅に連れ帰ろうとした。
(読売新聞) - 10月22日19時56分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061022-00000012-yom-soci

身体に刃物を入れることを禁忌とするのはどこの教団かは知らず。ここでのポイントは家庭裁判所の命令が抵抗不可能な強制力を有しているということだろうか。それによって、「乳児」の生命が救われるとともに、「両親」にしてもその抵抗不可能な強制力ということによって、宗教上の罪は免れることになる。
刃物を身体に入れることの禁忌というと、かつての天皇の身体を巡るタブーを想起させる。玉体に刃物を当てることはできないので、天皇は髭を剃ることができず、女官が歯で噛みちぎったとか。