http://d.hatena.ne.jp/opemu/20061014/1160780338を読んで、その文章の主旨とは全く関係ないことを考えた。
「洋楽」と「邦楽」という言葉が出てくるのだけれど、このペアの言葉というのはどうもピンとこない。私が聴く音楽は主にブリティッシュ・ロックなので、「洋楽」ということになるのだろう。だけど、自分が「洋楽」が好きだと考えたことはない。ただロックとかジャズとかレゲエとかを聴いているだけなのだ。勿論、その下位分類として、ブリティッシュとかジャーマンとかアメリカンとか、さらに日本のロックとか中国のロックがあるということはある。また、「邦楽」というと私にとっては、雅楽とか長唄を連想することになり、サンボマスターにしても亜州功夫世代にしても、私にとっては「邦楽」ではない。美術において、日本画/洋画という区別があり*1、この区別も色々と問題を含んでいるわけだが、こちらの方はまだわかりやすい。横山大観は日本画、岸田劉生は洋画。アイルランドのミュージシャンであっても、チーフタンズやクラナドはケルト音楽といえるけれど、U2はケルト音楽とはいわないでしょということだ。
この感覚というのは私だけのものではない筈だ。多分、ある世代を境にして、「洋楽」と「邦楽」という二項対立がしっくりくるようになるのだと思う。それはどの世代からなのかということは明言できない。しかし、多分、J-POPという言い方が日本のポップ・ミュージックを統括するメタ−ジャンルとして定着したことと無関係ではないだろう。それから少し遅れて、亜細亜ではKanto-PopとかMando-Popという言い方が出てくる。これは現地の英語メディアで使われる言い方で、日本人とは全然関係ない。しかしながら、様式に基づくジャンルよりも国籍を優先させるような区別には依然として違和感を抱き続けているのだ*2。