どっちもどっちかも

http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-201.htmlから、『 「つくる会」教科書はこう読む!』という本の孫引き;


つくる会歴史教科書」を開いて仰天するのは,性の記述にあふれていることだ。(中略)
次のような記述が登場する。「アメノウズメの命が,乳房をかき出して踊り,腰の衣のひもを陰部までおしさげたものだから,八百万の神はどっと大笑い」(中略)
「イザナキの命とイザナミの命の二神が性の交わりをして生まれた子供が淡路島・・・」(中略)
家斉は四〇人の妾(めかけ)をもち,五五人の子供がいた」という記述などが何の脈絡もなく登場する。

問題は,「つくる会歴史教科書」が,「慰安婦」問題を全く書かなかったことの裏側で,このように女性差別的な記述をいくらも載せていることだ。性的な表現に加えて「八百万の神はどっと大笑い」などには,女性を辱める差別な視線がある。「妾」の用語もそうだ。(後略)

これは以前にも立ち読みしたことはあるのだが、そのときもこういう批判の仕方ってどうよと思った。一生懸命俗情に媚びようとしているという感じ。カマトトぶってるんじゃねぇよとはいいたくなる。
問題はこういうのが〈国語〉の教科書ではなく「歴史」の教科書に載っていることにある。批判としてはそれだけで十分なのだ。神話と歴史を混同するな。
ところで、「性的な表現に加えて「八百万の神はどっと大笑い」などには,女性を辱める差別な視線がある」とはこれ如何に? これを読んで、私は春画が江戸時代に「笑い絵」と呼ばれていたことを思い出したけれど。これはそもそもカルナヴァル的状況の記述だということも踏まえていないんじゃないかな。また、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060927/1159366397との関連で言えば、ここにおけるアメノウズメの所作はアマテラスとの関係で、


  開/閉


という二項対立を形成していることに気付く。
それはともかくとして、「つくる会」は最低だと思うが、それに対する〈良識〉を装った小市民丸出しの批判も同様にむかつく。さらに、それをダシにして、山谷えり子などの「品性」を論うことも。まるで馬鹿と馬鹿がかけ合わさった二乗状態だ。
ところで、この片仮名と平仮名と漢字が混在した神名表記ってどうよ。一瞬、ミコトではなくイノチって読んでしまいましたよ。片仮名または漢字で統一しなさい!
「アメノウズメ」といえば、鶴見俊輔さんの本をまだ読んでいなかったことを思い出す。