月餅と珈琲

薛慧卿、王雪菁、張文楠「今秋月餅市場悄然“変味”」『新民晩報』2006年9月24日


今年の月餅のトレンドは、


 〓*1焼、キー・ワードは「香」
 〓*2酪すなわちチーズ、キー・ワードは「洋」
 蕎麦、キー・ワードは「土」
 無糖


だという。
チーズ月餅については、


相伝当年徐光啓以月餅款待西方科学家時、一位洋人用刀叉将月餅分開放入黄油和〓*3酪。這位洋人的後裔来在徐家匯附近開店、特意開発了“黄油〓*4酪月餅”。経過3年研発、今年“牛〓*5棚”推出改良後適合本土口味的〓*6酪月餅。
であると。因みに「黄油」とはバターのことなり。
去年の上海における月餅の売上は1.4万噸で、額にして12.2億元。今年は全体として10%の売上上昇を見込んでいるとか。


 郭剣烽、範小鋒、談〓*7*8海南島竟産“牙買加〓〓*9”?」『新民晩報』2006年9月24日


 「牙買加」とはjamaicaなり。「哈里欧」というチェーンの某店舗では「藍山」すなわちブルー・マウンテンは1杯38元。「服務員」に本当にジャマイカから輸入したものなのかと訊くと、そうだという。また、メニューには「比利時藍山」128元というのも。「比利時」とはベルギーである。「藍山」の産地が変わったのか? 上司が出てきて説明するには、「藍山式」、或いは「藍山」の種をベルギーに移植したものだと。ベルギーでは珈琲は栽培できないではないか。記事によれば、そもそも「藍山」は正式なルートで未だ中国には輸出されていないという。また、実際には海南島産の「藍山」が出回っているという。
私は珈琲については、インドネシアのもの(マンデリンやトラジャ)がベストだと思っているし、「藍山」を飲みたいという欲望は特にない。実際高いし。最も私を萎えさせるのは、世間では「藍山」がブルマンという四文字略語で通用していることだ。四文字略語は日本語の品位を徹底的に貶める。日本でも偽「藍山」疑惑というのは時々は耳にするが、ざまぁ味噌漬けとしか思わない。この敵意は日本語を貶める輩に対する私なりの〈愛国心〉の発露でもある。

*1:tan4. 石+炭。GB4428.

*2:nai3. おんなへん+乃。GB3644.

*3:nai3. おんなへん+乃。GB3644.

*4:nai3. おんなへん+乃。GB3644.

*5:nai3. おんなへん+乃。GB3644.

*6:nai3. おんなへん+乃。GB3644.

*7:bei4. くさかんむり+倍。GB6177.

*8:くさかんむり+宝。

*9:中国語では珈琲はくちへん。