伝統

東京新聞』(共同通信)の記事;


英語、音楽も「伝統重視」  指導要領改定で中教審

 授業内容や教科書づくりの基準になる学習指導要領の見直し作業を進める中教審の教育課程部会は、国語、歴史だけでなく英語、音楽などの教科でもこれまで以上に日本の伝統・文化を重視する方針を素案で示し、本格的な検討に入った。

 素案には「ふじ山」「こいのぼり」などで知られる文部省唱歌の指導を充実させ、「国や郷土について理解を深め、英語で積極的に発信する」など具体的な指導内容も記載。26日からの臨時国会では「愛国心」を盛り込んだ教育基本法の改正案が審議されるが、その議論を先取りする内容ともいえそうだ。

 指導要領の見直しは「ゆとり教育」が学力低下を招いたとの批判に対し、基礎的学習の充実などを主要なテーマに昨年スタート。本年度中の改定を目標にしている。
(共同)
(2006年09月16日 17時57分)
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006091601005797.html

「伝統」と教育を巡っては、例えば、


http://d.hatena.ne.jp/kmizusawa/20060918/p1
http://ch.kitaguni.tv/u/6683/%b2%bb%b3%da/0000202739.html
http://uchyax.exblog.jp/3795914
http://blog.livedoor.jp/gegenga/archives/50573376.html


とかに批判的な言及あり。特にhttp://ch.kitaguni.tv/u/6683/%b2%bb%b3%da/0000202739.htmlは「ルークトゥン(Loogthung)というタイの民謡」への言及が愉しい。
先ず〈教育的指導〉からすれば、今日「伝統」を云々するに当たっては、ホブズボームとレンジャーが編集したThe Invention of Traditionくらいは最低限おさえておかなければいけないということである。

The Invention of Tradition (Canto)

The Invention of Tradition (Canto)

また、「伝統」をtraditionという語源に遡って思考し直すことの必要。
ところで、日本の動きに平行するかのように、Xinhua “Five-Year Plan aims to bring culture to youth” (Shanghai Daily 14 September 2006)という記事では、中国共産党中央委員会と中国国務院の共同決定として、

Calligraphy, painting and traditional handicraft are to be introduced onto the curriculum in China’s elementary schools as part of a government drive to educate young people about the country’s culture.
ということが伝えられている。その目的は、”On the international stage, China not only needs strength in economy, science, technology and defense, but also cultural strength to be ahead of international competition”であると。