阿部謹也

http://d.hatena.ne.jp/pavlusha/20060909にて知る。ここで引用されているのは『日経』の記事。しかし、『毎日』の記事がいちばん詳しそうだったので、こちらを引用する;


<訃報>阿部謹也さん71歳=一橋大元学長

 ドイツ中世史、西洋社会史研究の第一人者で、「世間」をキーワードに独自の日本人論を展開した一橋大元学長の阿部謹也(あべ・きんや)さんが4日、急性心不全のため東京都新宿区の病院で亡くなった。71歳。葬儀は近親者で行った。後日、お別れの会を開く。自宅は非公表。喪主は妻晨子(あさこ)さん。
 東京都生まれ。一橋大大学院博士課程修了。小樽商科大教授、東京経済大教授を経て、79年、一橋大教授に。92〜98年に同大学長。99〜02年、共立女子大学長を務めた。一橋大名誉教授。
 中学時代のカトリック修道院での生活をきっかけに西欧中世社会史に関心を持ち、69年から2年間ドイツに留学。グリム童話で有名なハーメルンの笛吹き男の伝承の研究を通じて下層市民の生活と社会的差別に視野を広げ、西洋市民社会の深奥に迫った74年の「ハーメルンの笛吹き男」は大きな反響を呼んだ。
 主な著書に「中世を旅する人びと」(サントリー学芸賞)「中世の窓から」(大佛次郎賞)「『世間』とは何か」など。
 97〜98年国立大学協会会長。97年に紫綬褒章を受章した。
 ▽共著のある日高敏隆京大名誉教授(動物行動学)の話 急な話で驚いている。私の本が文庫になったとき、解説を書いて頂いたのが出会い。まじめな人柄で、阿部先生が一橋大、私が滋賀県立大の学長だったころ、学生論を戦わせたことも思い出される。まだまだ、いろいろなことをうかがいたかった。大変残念だ。
毎日新聞) - 9月9日15時9分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060909-00000055-mai-peo

阿部さんの本で最初に読んだのは『刑吏の社会史』(中公新書)。
刑吏の社会史―中世ヨーロッパの庶民生活 (中公新書 (518))

刑吏の社会史―中世ヨーロッパの庶民生活 (中公新書 (518))

高校の時だったのか大学に入ってからだったのか、今即座に思い出せない。しかし、マージナルなものに対する関心、社会史的なものに対する関心など、その後の私の知的バイオグラフィへのこの本の影響は強いと思う。
それから、80年代に阿部さんがNHKの教育TVに出演していて、横柄な態度でインタヴューしていたのが、作家の中野孝次という男。忽ち中野が嫌いになったのは言うまでもない。