大学生と英語

http://d.hatena.ne.jp/kaikai00/20060730/1154192322にて知る。
『毎日』の記事なり;


ゆとり教育世代:英語力、大学生の6割が中学生レベル−−独立行政法人調査

 ◇国の行動計画、遠く及ばず

 今年度初めて大学に入学した「ゆとり教育世代」の学生の英語力を独立行政法人メディア教育開発センター千葉市)の小野博教授らが調査したところ、6割は中学生レベルにとどまっていることが分かった。国は02年度に「英語が使える日本人」の育成のための行動計画を策定、07年度までに高校卒業者の平均を「英検準2級〜2級程度」にすることを目標にしているが、遠く及ばない実態が明らかになった。

 調査は全国14大学(国公立2、私立12)の新入生約4600人を対象に実施。語彙(い)と文法の理解度を問う、英検4〜2級レベルの問題で到達度を見た。その結果、英検3級(中学卒業程度)レベルが45%、英検4級レベル(中2程度)が13%に上った。

 小野教授は、英語の授業が読み書き中心からコミュニケーション重視に変わった▽新学習指導要領により、授業で覚える単語数が1割程度減った▽授業時間数も4分の3になった−−など、ゆとり教育の影響が背景にあると分析。「基礎の単語や文法の力が低下している。基礎的な力が上がらないと、コミュニケーションの能力も上がらない。このままでは文部科学省の目標の達成は困難」と指摘している。【内田幸一】

 ■ことば

 ◇ゆとり教育世代

 教科内容を削減するなどして、02年度に小中学校で施行された「新学習指導要領」による教育を受けた世代。03年度からは高校でも実施された。大学関係者の間には「2006年問題」として、基礎学力低下などを懸念する声も出ている。

毎日新聞 2006年7月29日 大阪朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2006/07/20060729ddn001040007000c.html

先ず、「ゆとり教育世代」の英語力が落ちているかどうかは、これだけではいえない。酷いことを言ってしまえば、調査データではなく、落ちているという臆見に準拠しているともいえるだろう。落ちているといえるためには、before & after「ゆとり教育」の比較がなされなければならないからだ。また、憶測で言わせていただければ、「ゆとり教育」に反して、英語力の向上に有利な条件だって、幾つか挙げることはできる。例えば、70年代とか80年代前半と比較して、


 インターネットの普及によって英語の文章を読む機会は以前よりも増えていること

 海外旅行をする人が増えていること

 円高及びネット書店の登場によって洋書が買いやすくなっていること

 グローバル化の効果として、日本にいる外国人が増えていること


また、英語力が落ちているとしても、(よくいわれることだが)少子化による若年人口減少の効果として大学入学の敷居が低くなっていることと「ゆとり教育」は、どちらが説明能力があるのだろうか。また、生まれ育った地域、世帯収入、両親(或いは祖父母、曾祖父母)の学歴、海外の親戚の有無といったデモグラフィックなデータの説明能力は?
ところで、「国は02年度に「英語が使える日本人」の育成のための行動計画を策定、07年度までに高校卒業者の平均を「英検準2級〜2級程度」にすることを目標にしているが、遠く及ばない実態が明らかになった」ということだが、不勉強なので、知らなかった。なお、私のような非一流大学出身者から見ると、こういう記事を読んでも、何だ、俺たちの頃と同じじゃん!と思ってしまうこともたしかなのだ。