まあ、口先で

『朝日』の記事なり;


駅員・乗務員への暴力多発 突然「キレる」客たち
2006年07月15日12時54分

 駅員や乗務員への暴力が相次いでいる。ここ数年は毎年被害件数が増え、大手私鉄は05年に計139件にのぼる。突然激高して暴行に及ぶ客が目立つという。JR東日本大手私鉄など21の鉄道は今月、駅や車内のポスターで暴力防止を呼びかける初の共同キャンペーンを始めた。

 日本民営鉄道協会(民鉄協)は7月、00年以降に大手私鉄16社の社員が被害を受けた暴力の件数を初めて分析した。00年の72件から5年連続で増加し、05年はほぼ2倍になった。今年も1〜5月ですでに83件発生した。

 JR東日本では05年度に356件あった。97年度以降で最悪になっている。5月には、神奈川県のJR小田原駅に到着した電車で眠っていた男性(26)を起こした駅員が飛びげりされ、腰に10日間のけが。埼玉県のJR北朝霞駅では6月、自動改札機を乗り越えた男性(16)を呼び止めた駅員が顔を殴られ、1週間のけがをした。駅員からは「ストレスのはけ口」との声も。

 民鉄協は、社員向けの接客ハンドブックも初めてつくった。「注意するときは、そのお客様だけに聞こえる声で」などというアドバイスを具体的に列挙した。ただ、JR東日本は「暴力は犯罪」と刑事告訴も辞さない姿勢を打ち出しているが、被害を減らすまでには至っていない。
http://www.asahi.com/national/update/0715/TKY200607150200.html

こういう統計の場合、短期のトレンドだけでなく、長期のトレンドが重要だということがあるが、この場合、どうなのだろうか。例えば、戦後史的なスケールで見た場合、減少傾向にあるのか、それとも増加傾向にあるのか。ただ、〈クレイマー〉を初めとして、〈キレるお客様〉が増えているという言説は以前からあったので、今更驚かなかった。フライト・アテンダントへの暴行が増加しているというのが報じられたのは数年前だったか。
問題は「突然激高して暴行に及ぶ」ということだろうか。言葉の不在。「ストレスのはけ口」ということだけれど、「ストレス」だったら、言葉にすることでかなり和らぐこともあるのではないか。駅員とかの態度が劣悪だったら、それをblogとかで公にすることによって、せいせいもするし、問題も改善するかも知れない。勿論、殴るにせよ言葉にするせよ、それなりの責任は発生してしまうのだが。
ところで、「JR小田原駅に到着した電車で眠っていた男性」というのは同情の余地がすごくありそう。想像するに、横浜辺りで降りるつもりが寝過ごして終点の小田原まで行ってしまい、パニックになったということかも知れないからだ。