親孝行の物語

http://d.hatena.ne.jp/antonian/20060407/1144383019経由で知る;


“空手の秘伝書”求め…武道家一族雪山で遭難


 マタギで知られる青森県西目屋(にしめや)村の白神山地近くで4日夜、シンガポールから来日した中国系武道家一族ら13人のうち男性3人が雪道に迷い、5日未明に弘前署に保護された。シンガポールで道場を経営していた武道家の遺族らで、「遺言で日本の空手の伝承者に会えと言われ、探しているうちに迷った」と説明しているという。

 弘前署によると、一行は5年前に病死した武道家の妻と息子2人とその友人たちで、3月22日に来日し、4月3日に青森県入り。まずは下北半島霊場・恐山などを訪れ、続いて白神山地方面へ転進した。

 「白神の『神』の字に興味をひかれたようだ」(捜査幹部)。寒さで体調を崩した4人を除き、4日午前から3人ずつ3班に分かれて伝承者の捜索を開始。途中までバスで進み、武道家の長男を含む班は徒歩で山道に分け入ったが、あえなく遭難した。「1メートル近い雪が積もっており、道と畑の境目が見えなくなっていた」(同)。

 長男らは午後7時ごろ、仲間の携帯電話に「雪道で進めない。道に迷った」とSOS。仲間が地元観光協会の通訳とともに弘前署に届け出て、5日午前1時過ぎに救出した。3人は野菜畑にあった廃車の中で暖を取っていた。「来日前、日本は20度くらいと聞いていたようだ。半袖で来日し、日本で長袖を買ったが、それでもかなり軽装だった」(同)。

 亡くなった武道家は、2人の息子が武道に興味がないうえ、道場にあった“空手の秘伝書”も弟子に盗まれたことから、死に際に「日本の北端で、山中で修行する極真空手の伝承者がいる。会って秘伝書を譲り受けよ」と遺言したという。

 一行は「もう少し探してみます」と話しているが、捜査関係者は「地元で武道家の話なんて聞いたことない。また遭難されても困る。正直、あきらめてほしい」と苦り切っている。

ZAKZAK 2006/04/06
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_04/t2006040601.html

これは親孝行の物語。2人の息子は武道には興味がなかったにも拘わらず、ただただ父親の遺言を信じて、わざわざ日本までやってきて、遭難までした。それにしても、「日本の北端で、山中で修行する極真空手の伝承者」、この伝説というか情報の起源はどこなのだろうか。そもそも「極真空手」に「秘伝書」なんてあるのか。父親の個人的な思い込みではなくて、東南アジアにおいてはこのようなことが割合広く伝承されているのではないかとか空想してしまった。
「地元で武道家の話なんて聞いたことない。また遭難されても困る。正直、あきらめてほしい」との捜査関係者の言。「あきらめてほしい」なら、村ぐるみで一芝居打つしかないでしょう。地元の元気な爺を山の中に放り出して、あれがその「極真空手の伝承者」ですとか。