ビンボー人が貧乏人を

『日経』の記事なり;


生活保護の支給額、国民年金以下に削減・厚労省検討

 厚生労働省生活保護の支給額を削減する検討に入った。年金保険料を払い続けてきた人より、払わないで生活保護を受ける人の方が所得が多いケースがあるため。2007年度から段階的に国民年金(基礎年金)の支給額以下に引き下げる方針だ。

 生活保護の支給額は年齢や地域によって異なるが、例えば東京23区内に住む68歳(単身)の場合、光熱費など生活費に充てる生活扶助分で8万820円。これに家賃を払っている場合には上限1万3000円の住宅扶助などが加算される。 (07:02)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20060306AT3S0500H05032006.html

これについて、kmizusawaさん*1曰く、

おそらく年金受給者層に、こういった不満(自分たちは働いて年金払ってきたのに働いてない人が…云々)をもつ人がいるのだろう。より低いものがちょっとだけ上にいる(ように見える)やっぱり低いところにいるものの足を引っ張る構図。これ幸いとそれを「利用」するお役所。(生活保護と関係なく年金額が低すぎると言ってる人もいるだろうに、そっちの声は無視) 彼らはホントに(この例で見ると)月10万ほどの生活保護費を「高い」と思っているのだろうか。…いるんだろうな。
と述べている。
私は、山口二郎の言説*2に触れて、

社会のせせこましさやつまらなさに関しては、「六本木ヒルズに住む「ヒルズ族」を見てもうらやましいとは感じないが、「近所の公務員宿舎には腹が立つ」という庶民感情」というのは重要なファクターのひとつではありますね。そうすると、暴力は内向したり、身近な兎みたいな対象に向けられたりはするが、国家を揺るがす謀反などは起こらず、それなりに社会秩序というのは安泰になるわけだ。
と書いた*3。こういう「庶民感情」を持つ人を〈ビンボー人〉と呼ぶなら、ここに見られるのは、ビンボー人が貧乏人の「足を引っ張る」ビンボー人が貧乏人を苛めるという構図か。