上野千鶴子(回答)

 承前*1

 上野さんが発していた〈国分寺〉問題についての質問状の東京都及び国分寺市からの「回答」が、それぞれhttp://d.hatena.ne.jp/june_t/20060209/p1http://d.hatena.ne.jp/june_t/20060216/p2に掲載されている。
 「回答」はどちらもシンプルなものであるが*2、読み比べてみると、東京都はことの原因を、「用語」問題に関する国分寺市側の〈配慮〉に求めているが、言及しているのは、講座の「中止」のみであり、講師の「適切」性については触れていない。他方、国分寺市は、「上野が講師として不適切であるとの判断を、いかなる根拠にもとづいて下したかを、示してください」という質問に対して、「国分寺市教育委員会は,不適切であるとの判断はしておりません」と答えている。高橋さんの要約だと、「国分寺市教育委員会)としては不適切だとは思わないが、都教委の意向に添わないと考えて、国分寺市の教育長の責任で事業を中止したということ」になる。東京都側は「東京都教育委員会は、同市が企画中の内容が「『ジェンダー・フリー』という用語の使用に関する東京都教育委員会の見解」を踏まえたものであるかどうかについて問い合わせたものです」と答えているが、〈問い合わせ〉という言語行為の遂行的意味が問われなければいけないというわけか。英語のaskにも2通りの意味があるしね。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060208/1139371656

*2:というよりも、東京都のものは質問に対する「回答」にはなっていない。