2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「母性主義」について相対化

以前1980年代の反原発運動について、 他方、社会党について言えば、たしかに党全体の一般的なスタンスは「反原発」だったが、中には露骨な「推進派」もいたわけだし、また社会主義協会は資本主義の原発はNGだが社会主義の原発はOKだとか主張していたわけだ。…

「ホルモン」――関西/関東

ホルモン奉行 (新潮文庫)作者: 角岡伸彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/04/24メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (15件) を見る角岡伸彦『ホルモン奉行』に曰く、 関東では牛や豚の腸のみをホルモンというが、関西では内臓全般、さら…

リスボンへの反応(メモ)

ウルリッヒ・ベック曰く、「18世紀にリスボンで大地震が起き、深刻な被害が出たとき、当時の思想家たちは、どうして善良な神がこんな災害をもたらすのかと考えた」*1。 1755年のリスボン大地震・大津波に対する「当時の思想家たち」の反応について少しメモ。…

生産的/非生産的

承前*1「議論などくだらない!」http://blog.livedoor.jp/hesalkun/archives/51996757.html タイトルだけ見ると、「議論などくだらない!」だから手っ取り早く実力行使だ! と主張しているのではないかと思ってしまうのだが、実は正反対の主張である。「議論…

水俣病と暴力(丸山徳次)

承前*1水俣病を巡る文献として、 丸山徳次「「暴力」行為と構造的暴力――或る傷害事件を見る眼」現象学・解釈学研究会編『理性と暴力』世界書院、1997、pp.263-294*2 を取り敢えず追加。 このテクストで論じられる「暴力」は直接的には水俣病患者の川本輝夫が…

「とりかえしのつかなさ」(メモ)

ちょっと前に松浦寿輝の小説集『あやめ 鰈 ひかがみ』について、そこにおける「時間の崩壊はどうやら、登場人物たちが物事の不可逆性或いは過去の取消不可能性という時間の根本的な掟を無視し、それを支える記憶に対して不誠実であるという過ちに由来するら…

『神々の夏』など

洋書を2冊。Edward J. Larson Summer for Gods: The Scopes Trial and America's Continuing Debate Over Science and Religion Basic Books, 2006Summer for the Gods: The Scopes Trial and America's Continuing Debate Over Science and Religion作者: …

シベリアのユダヤ人(メモ)

以前Anna Reidのシベリア紀行The Shaman's Coat*1を読んでいたのだが、最近Liliane WillensのメモワールStatelss in Shanghai*2を読んでいて、Anna Reidの本には重要な登場人物が欠けているということに気づいた。それはユダヤ人である。先ず露西亜*3におけ…

ダンスから安保へ

裸の夏 The Naked Summer [DVD]出版社/メーカー: トランスフォーマー 発売日: 2011/03/04メディア: DVD購入: 7人 クリック: 69回この商品を含むブログ (7件) を見る先日、岡部憲治のドキュメンタリー『裸の夏 The Naked Summer』を観た。2003年8月に長野県…

福島原発、水俣、そして知識の問題(原田正純)

承前*1http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/7b77b2902dc2815aeee3e70aa25d933c 『朝日新聞』に掲載された野上隆生、安田朋起「インタビュー 3・11 水俣から」という原田正純 氏へのインタヴュー記事が全文引用されている。 水俣病問題*2に一貫して取り…

平田隆夫

『毎日』の記事; 訃報:平田隆夫さん72歳=「ハチのムサシ」を作曲 平田隆夫さん72歳(ひらた・たかお=作詞・作曲家、ジャズピアニスト)12日、縦隔脂肪肉腫のため死去。葬儀は15日午前9時、さいたま市見沼区南中野372の1の大宮典礼会館。1…

『ほんとうに奇妙な日々』

Strange Days Indeed: The Golden Age of Paranoia作者: Francis Wheen出版社/メーカー: Fourth Estate Ltd発売日: 2010/04/15メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見るFrancis WheenのStrange Days Indeed: The Golden Age…

James Joyce, a Lyricist

承前*1Director's Cutアーティスト: Kate Bush出版社/メーカー: Fish People発売日: 2011/05/16メディア: CD クリック: 10回この商品を含むブログ (10件) を見るThe Sensual Worldアーティスト: Kate Bush出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン発売日:…

大連立?

Here We Go Againアーティスト: Nelson,Marsalis,Jones出版社/メーカー: Blue Note Records発売日: 2011/03/29メディア: CD クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る所謂政局絡みで大連立という言葉をよく聞く。大連立って普通の連立とどう違うのか…

法律で決めるということ

日の丸や君が代についてはhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060921/1158852793 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060922/1158949723 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060926/1159279010 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060927/1159324955 http://d.ha…

Godard et Truffaut(Memo)

Two in the Wave [DVD] [Import]出版社/メーカー: Lorber Films (Kino)発売日: 2011/02/22メディア: DVD クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見るEmmanuel LaurentのドキュメンタリーDeux de la Vague*1についてちょこっとメモ。 この映画では、1950…

「バザール」も甘くないかも

橘玲*1「伽藍の世界」http://www.tachibana-akira.com/2010/10/807 曰く、 バザールは参入も退出も自由だから、相手に悪い評判を押し付けてもあまり効果はない。悪評ばかりの業者は、さっさと廃業して、別の場所や別の名前で商売を始めるからだ。バザールで…

先週の抜粋

湄公河越南餐庁 美羅城にて。 別の日。拉麺玩家(Ramen Play)にて冷やし担担麺 Greek Taverna*1にて。 Vegetarian Cafe(桃江路) *1:http://www.greektaverna.cn/

盧湾区なくなる

「兪正声:要平穏有序高効地推進黄浦、盧湾両区”撤二建一”工作」『東方早報』2011年6月9日 李偉「”毎次調整変遷都是為発展服務”」『東方早報』2011年6月9日 上海市の南匯区が浦東新区に合併されたのは2009年のことだが*1、今度は浦西側の盧湾区が黄浦区…

Sur Mes Gardesなど

買ったもの。Joyce Jonathan Sur Mes Gardes Sur Mes Gardesアーティスト: Joyce Jonathan発売日: 2010/04/06メディア: CD クリック: 5回この商品を含むブログ (2件) を見る四ノ宮浩『神の子たち』神の子たち [DVD]出版社/メーカー: オフィスフォープロダク…

代数

枝野幸男*1が今上天皇が何代目なのか知らなかったと国会で突っ込まれたという*2。 天皇の代数問題に関しては、 http://d.hatena.ne.jp/Wallerstein/20110608/1307541084 が興味深かった。 そのコメント欄に、「天皇家も、武烈と継体のところで断裂しているん…

『紅楼夢』とエディプス(メモ)

顧明棟「孝順情結――中国文化語境中的俄狄浦斯」in 『原創的焦慮――語言、文学、文化研究的多元途径』*1、pp.191-213 この中で顧明棟氏は、中国文化(儒教文化)はヨーロッパ文化と同様に強固な家父長制を有しているにも拘わらず、エディプス・コンプレックス(…

福島にいた

承前*1「「私も、被ばくした」――蓮池透が語る、原発労働の実態(前編)」http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1106/07/news010.html 蓮池透さんが東京電力に勤務していて原発関係の仕事をしていたということは知っていたのだが、福島第一原発に勤めていたこ…

座ってろ!

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20110609/1307573206 菅内閣不信任案否決後*1の所謂政局を巡って*2。 ポスト菅直人の民主党党首/首相候補として野田佳彦の名前が浮上しているという*3。野田佳彦が経済政策においても政治思想においてもアレだというのはそ…

闇には音あり

李懿「竇唯発声唱無声 極簡勝過鋪張」『東方早報』2011年6月8日 竇唯*1の新譜『口音』が6月6日にリリースされたという。ここでは竇唯の声が聴ける。しかし「只有声、没有詞」。『口音』とはまさにvoiceなのだが、「喑」という字あり。発音は「音」と同じ…

Here We Go Againなど

CDを2枚買う。Willie Nelson & Wynton Marsalis featuring Norah Jones Here We Go Again: Celebrating the Genius of Ray Charles Here We Go Againアーティスト: Nelson,Marsalis,Jones出版社/メーカー: Blue Note Records発売日: 2011/03/29メディア: CD…

株主の話

http://d.hatena.ne.jp/yellowkitty/20110609/1307568587 拙blogにも屡々コメントをくださるyellowkittyさんのエントリーで、『朝日新聞』に掲載された62歳の女性の投書が紹介されている。この人は東京電力の株主で、株を持ち続けることによって株主としての…

トクヴィルなのにベンサム

Social Theory MLへのメッセージ。『トクヴィル・レヴュー』のお知らせ。特集はベンサム; The Tocqueville Review/La revue Tocqueville Volume 32, Number 1, 2011 is now available at http://muse.jhu.edu/journals/tocqueville_reviewla_revue_tocquevi…

『我読3』など

買った本。鳳凰書品編『我読3』湖南文藝出版社、2011 偉大的失敗者 Why Societies Need Dissent――社会需要不同意見 《黒天鵝》――意料之外的世界 The Shallows――互聯網譲我們変浅薄? Born Digital――数字原住民 REMIX――商品経済與分享経済 《偉大的失敗者》―…

何故対立しなければいけないのか

田島正樹*1「暴力について」http://blog.livedoor.jp/easter1916/archives/52138956.html 内田樹氏の「自分の正しさを雄弁に主張する知性よりも、自分の愚かさを吟味できる知性の方が、私は好きだ」という言説に対して、 しかし己れの愚かさを吟味することが…