2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Scoial Problemsほか

22日、午後から某大学の図書館にいる。図書館にあまり人はおらず、ひっそりしている。 時間がないというか春休み中で、閉店もとい閉館時間も早いので、取り敢えず前々から興味のあったSccial Problems52-4の特集"Language, Interaction, and Social Problems…

4冊

21日に買った本なり; ポール・オースター『空腹の技法』(柴田元幸、畔柳和代訳)新潮文庫、2004 佐佐木信綱(校訂)『新訂 新古今和歌集』岩波文庫、1929 吉川幸次郎『宋詩概説』岩波文庫、2006 加藤祐三編『近代日本と東アジア 国際交流再考』筑摩書房、1…

Phenomenology as Virus

言語は外宇宙から到来したウィルスといったのは、ウィリアム・バロウズだったか。 酒井さん経由でhttp://kusaiinu.exblog.jp/3678239/を読む; レトロ・ウィルスは宿主に対して、異他的で有り続ける。つまりアイデンティティを保ち続けるが、RNAを注入するこ…

米山俊直

『朝日新聞』の記事なり; 京大名誉教授の米山俊直さん死去 文化人類学広める2006年03月20日12時22分 京都大名誉教授で文化人類学者の米山俊直(よねやま・としなお)さんが9日、胃がんのため死去した。75歳だった。密葬は19日親族ですませた。自宅は非…

本を買いまくり

20日は、午前中、下北沢と中国領事館で用事を済ませてから、六本木のABCで本を買いまくってしまった; 本田由紀、内藤朝雄、後藤和智『「ニート」って言うな!』光文社新書 丸川哲史『日中一〇〇年史 二つの近代を問い直す』光文社新書 末木文美士『仏教vs.…

分立、分出

「分立」の場合の「立」は「存在する」の意。その前に来る語は自立の自、独立の独のように副詞(自ら、独り)となるので、「分立」は〈分かれて−立つ〉ということになる。他方、「分出」の「出」は、内→外、潜在→顕在などを表す〈方向補語〉。なので、「分出…

Ausdifferenzierung

尼克拉斯・廬蔓(瞿鉄鵬訳)『権力』(上海人民出版社、2005)の索引を見ると、Ausdifferenzierung von Machtの訳語は「権力的分化」になっています。

やばやば、取り敢えず撤回

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060319/1142788647で、 最後に、脈絡なく岸さんのテクストに戻る。「解放系EMの人はもうアホみたいに実証主義を批判するけど、例えば実証主義都市社会学を「同じ土俵で」批判するのって、EMの仕事とちゃうんちゃう?」−−(…

Gadamer

Hans-Georg Gadamerについて; Gadamer Home Page Alex GolubHans-Georg Gadamer: An Appreciation*1 Julian Robertsの追悼記事@Guardian Roberts氏は、20世紀独逸哲学史をanalytical/historicist(existential)の対立として提示する; Academic philosophy …

ナショナリズムと「クィア」、或いはリベラルとリベラルではない者との共生の問題

GREGORY CROUCH "A Candid Dutch Film May Be Too Scary for Immigrants" によると、先週から、阿蘭陀への移民を希望する者に対しては、"entrance examination"が課せられるようになった。試験内容は阿蘭陀語の知識と"the Netherlands' liberal values"につ…

ブック・オフにて

薄ら寒い日曜日、散歩がてら近所のブック・オフへ。しかし、買いたいと思った本はそれほどなかった*1。結局買ったのは、 寺谷弘壬『国際社会学 世界の読み方』、八千代出版、1996 清水義夫『記号論理学』、東京大学出版会、1984 アン・リー『飲食男女』(南…

Max Scheler−−王暁東『西方哲学主体間性理論批判』

王暁東『西方哲学主体間性理論批判 一個形態学視野』(中国社会科学出版社、2004)からメモ。マックス・シェーラーの限界について; 舎勒顕然没有為主体間性、為自我與他人的統一性找到一個現実的根基、他的論証仍然是純粋理論意義上的、或者説是人的本質論…

「健康至上主義イデオロギー」といえば

岸さん*1は書いている; とりあえずこないだの研究会の話から始める。当日配られたレジメに、こんなのがあった。ネタは医療社会学、報告者は解放系の人。こんなストーリー。薬害エイズに関してわりと大規模な社会学的調査がおこなわれた。そこで、ある社会学…

上海→福岡→羽田

18日、午前9時過ぎに家を出て、タクシーで浦東空港へ向かう。12時のフライトなので、それほど時間に余裕はない。途中で渋滞に巻き込まれたりしたのだが、何とか10時過ぎには空港に到着する。JALのカウンターでチェック・インを済ました後、朝もまだ食べてお…

李晟台『日常という審級』

家に着いたら、李晟台氏の 『日常という審級 アルフレッド・シュッツにおける他者・リアリティ・超越』 東信堂、2005 が届いていた。といっても、届いたのは2月のこと。 目次を見る限り、前半のシュッツ論が本の中頃でミード論に転調される。そして、またシ…

一時帰国

18〜26日の間、日本に一時帰国します。ほんとうは今日帰るつもりだったというか、18日は金曜日であると思い込んでいた。

襄陽市場(続き)

承前*1姜麗釣、兪凱「歇業公告未引襄陽路抛售」『東方早報』、2006年3月17日 DAI Chen “Death knell sounds at city’s bargain central” Shanghai Daily 17 March 2006 「襄陽市場」が6月30日をもって閉鎖されることが正式に告知された。 Shanghai Dailyの…

所有と私

「鉄道模型を捨ててから、夫の様子がおかしい」*1だけれども、kmizusawaさん*2やchidarinnさん*3の分析はちょっとずれているような気がする。何故なら、件の女性は専業主婦ではなく、「共稼ぎ」。家事も分担して行っていたカップル。 勿論、2人の間に何があ…

Street

“me”という方の「日本のロックといわゆる「応援ソング」が嘘臭いのはなぜか」*1を読む。なんか難しいというか、〈ロッキング・オン〉している文体だな。曰く、「玄関の扉を出るとそこはもう「ストリート」、という環境は現代の日本でも極めて稀で、日本のス…

半ば誤報?

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060315/1142385289で引いた『朝日新聞』の記事に「調べでは、織田容疑者らは14日、東京都千代田区の法大市ケ谷キャンパスの中庭で、立て看板を撤去しようとした大学職員の作業を妨害した疑い。大学側が110番通報した…

『費孝通在2003』

買い求めし本なり。費孝通『費孝通在2003 世紀学人遺稿』、中国社会科学出版社*1、2005 写在前面的話(費〓*2) 暮年自述 社会学還応研究些甚麼 文化自覚――伝統與現代的接〓*3 “美美與共”和人類文明 2005年に逝去した社会学者/人類学者の費孝通の遺稿集。序…

王小波、李銀河『思想者説』

買い求めし本なり。王小波、李銀河『思想者説 王小波 李銀河双人集』、文化藝術出版社*1、2005 双人集・王小波沈黙的大多数 思惟的楽趣 中国知識分子與中古遺風 知識分子的不幸 花刺子模信使問題 積極的結論 跳出手掌心 道徳堕落與知識分子 論戦與道徳 道徳…

黄作『不思之説』

買い求めし本なり。黄作『不思之説――拉康主体理論研究』*1、人民出版社、2005 前言 第一部分 時間性、発展的歴史和主体 第一章 主体的発生 第二章 発生説與構造説 第二部分 拓撲形態学與主体 第三章 想像的迷惑 第四章 象徴的捕捉 第五章 実在的立場 第三部…

FTM/MTF

「FTMの「吉田松蔭」 高場乱」 http://www.geocities.jp/stshi3edgid/hs_osamu.htm 村井さんに教えてもらった。 「高場乱」は福岡の人。「乱」は「おさむ」と訓む。医者にして教育者であり、頭山満をはじめ、「玄洋社」の人々に影響を与えた。このテクストは…

藝術、宗教、無名性

「あんとに庵」さんの「無名性」*1を読む。 私の中では宗教脳と芸術脳はかなり近いんだが、これは祈りのメンタリティが、芸術の創作における啓示に到る作業に近い。もっとも芸術には外部的戒律はない。外部的な神学もない。倫理など等の狭義もない。しかし核…

無形文化財として

kmizusawaさんのブックマークから。『朝日新聞』の記事なり; 中核派全学連委員長ら29人逮捕 法大内の看板撤去妨害2006年03月14日19時16分 法政大学の敷地内にあった立て看板を撤去するのを妨害するなどしたとして警視庁公安部と麹町署は14日、中核派全…

親密性を可能にするものだが

セックスでは、普段は他人に見せない部分をパートナーに露わにする。裸体や性器といった物理的に見せない部分だけでなく、どのような快楽を自分が好むのか、そしてその快楽に対して自分がどう反応するのか、性的嗜好に関することは、第三者には決して露わに…

陳凱歌について幾つか

承前*1 李雲霊「胡弋不與陳凱歌同場競技」『東方早報』2006年3月14日 胡弋氏はここでは「饅頭教主」と呼ばれている。Yahoo!(雅虎)はそのCMの演出を、陳凱歌と馮小剛と張紀中に依頼しているが、実は胡弋にも声を掛けていたという。胡弋氏は、たしかに雅虎…

恋愛は能動的な経験ではない

奥田碩といえば、今や自動車というよりも「ゲーム」問題の専門家として有名になっているわけだが*1、恋愛についてもお詳しいらしい。「フラれ考 傷つきたくない、告白しない 未経験の若者急増中」と題する『毎日新聞』の記事*2には、「 「フラれた経験のない…

「俗人の修道生活」

http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200603120002.html を読んで、カトリックはプロテスタント化していると思ったのは私だけだろうか。 「あんとに庵」さん*1は、 しかしよく考えたら。俗界の価値で生きない、自主的参加な共同体というのは要するに一種の修道会だ…