ついうっかりわざと?

Toratarou*1「【追記】はちま起稿またデマ「サムスンがオーストラリアで日本になりすましたCM」→真に受けた人々がYouTubeのコメント欄を荒らす惨事に」https://buzzap.jp/news/20190619-esuteru-samsung-optus/


「はちま起稿」*2が濠太剌利の通信会社OPTUS*3のCMをサムソンのCMと誤認し、日本料理レストランが舞台になっていたことから、サムソンが日本企業に成りすましたと報じた*4。それを真に受けた熱湯浴が同CMのYouTube*5のコメント欄に蝟集する騒ぎとなった。まあ、日本で謂うと、ドコモとかAUとかのCMをアップルや華為のCMと誤認するようなものだ。  

横浜から神戸へ?

『読売新聞』の記事;


「除霊」と言われ目をつぶる、おはらい中に340万円盗まれる
16 時間前

 兵庫県警生田署は21日、中華街・南京町神戸市中央区)で、神戸市垂水区の家庭教師の女性(43)が、除霊と称して目をつぶらされている間に現金約340万円などを盗まれる被害に遭ったと発表した。近辺では4月にも同様の被害があり、同署は窃盗容疑で捜査するとともに注意を呼びかけている。


 発表では、女性は今月15日午後、中国語を話す3人組の女から、「息子が交通事故で死ぬ。財産を清める必要がある」などと声を掛けられた。女性はいったんその場を離れ、現金や貴金属をポリ袋に入れて用意して3人と合流、袋を預け、目をつぶっておはらいを受けた。

 3人組が女性に袋を返して立ち去った後、女性が中身を確認し、すり替えられたことに気づいたという。

 4月には、三宮センター街で、女性が3人組の女から、同様の手口で現金2万円などを盗まれており、生田署は同一犯とみている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190621-OYT1T50406/

これを読んで思い出したのだけど、2016年に横浜で「中国語を話す3人組の女」による窃盗事件が頻発していたのだった*1。横浜の事件では華人が被害者だったけれど、この43歳の「家庭教師の女性」は中国人なのだろうか、それとも日本人なのだろうか。
2016年の新聞記事を再度引用してみる;

「被害さらに拡大」 中国人狙う窃盗続発
カナロコ by 神奈川新聞 1月30日(土)7時0分配信


 横浜中華街やイセザキモールなど横浜市中区の繁華街で、中国人や台湾人の女性を狙った窃盗事件が相次いでいることが29日、分かった。いずれもアジア系の女3人組が中国語で話し掛け、おはらいを名目に金品を盗む手口で、県警は同一グループの犯行とみて捜査している。

 伊勢佐木署によると、26日午後4時45分ごろ、イセザキモールを歩いていた病院事務員の女性(45)=川崎市幸区=が「薬局を探している。仙人なら病気を治せると聞いた」などと女に声を掛けられた。直後に別の女が「仙人の孫を知っている」などと合流、さらに別の女に「財産をおはらいしないと、あなたの息子の命に関わる何かが3日以内に起きる」と告げられた。

 女性は約2時間後、羽衣町2丁目の路上で、おはらいを受ける財産として現金150万円を指定された袋に入れて預けたが、別の袋にすり替えられて中身を盗まれた。女性は元中国籍日本国籍を取得していた。

 同署と加賀町署によると、中区では昨年7月から今年1月3日までに、同様の手口の犯行が6件発生。被害者はいずれも中国人女性で、現金計約950万円(46万〜400万円)と時計、ネックレス、指輪などを盗まれた。

 県警は、3人組は容姿から中国籍と判断した女性をターゲットにしているとみている。3人はいずれも40〜50歳で、26日の事件ではベトナムシンガポール中国籍を自称していた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160130-00006821-kana-l14


「仙人の孫」名乗る窃盗、横浜で5件発生 150万円すり替え
産経新聞 1月30日(土)7時55分配信


 「仙人の孫」を名乗るアジア系とみられる女3人組が「息子の命に関わることが起きる」などと通行人に話しかけて不安をあおり、ATM(現金自動預払機)などで下ろさせた現金を盗む事件が昨年9月以降、横浜市中区内で5件発生していることが29日、分かった。被害総額は900万円超に上り、伊勢佐木署が連続窃盗事件として捜査している。

 同署によると、女3人はいずれも40代、アジア系外国人とみられ、北京語を話していた。被害者は5件とも中国人もしくは、中国から帰化した日本人だった。

 病院事務員の女性(45)は今月26日、同区の商店街でアジア系の女に「夫が不治の病にかかった。仙人のいる薬局を探している」と北京語で声を掛けられた。続いて別の女が合流して「仙人の孫を知っている。一緒に行こう」と誘い、しばらくすると「仙人の孫」を名乗る女が現れて「あなたの息子の命に関わることが起きる。現金を持ってきて」などと求めた。

 不安を覚えた女性が2人目の女とともに近くの銀行ATMで現金約150万円を下ろし、商店街路上で待っていた仙人の孫を名乗る女に渡すと、女は現金をポリ袋に入れ、まじないのようなしぐさを行った後に袋を女性に返却。女らは「2週間は袋を開けるな」と念押して立ち去ったという。

 不審に思った女性が帰宅後に袋の中身を確認したところ、水のペットボトルと新聞紙が入っており、現金が入った袋とすり替えられていたことが発覚した。

 手口は5件とも共通しており、同署はポスターを貼るなどして通行人に警戒を呼びかけている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160130-00000041-san-l14

さて、同一の3人組なのだろうか。

「平均38%減」

NHKの報道;


お遍路さん減少 10年で平均38%減
2019年6月21日 11時37分


四国にある八十八か所の霊場を対象に行ったアンケートで、回答したすべての寺では、この10年で巡礼者が減り、減少割合は平均で38%に上ったことが四国経済連合会などの調査で分かりました。

四国経済連合会などは四国遍路*1世界遺産登録を見据えて、遍路の受け入れ態勢を調査し、その結果を報告書にまとめて、このほど公表しました。

それによりますと、去年11月、四国八十八か所霊場を対象に実施したアンケート調査で、回答のあった36の寺すべてが、10年前と比べて巡礼者が減っていると答え、減少割合は平均で38%、最高で70%だったということです。

アンケートではマイカーを利用する個人やバスで訪れる団体の巡礼者が「減っている」と回答した寺が、9割から7割を占めた一方で、外国人の巡礼者が「増えた」とした寺が9割以上だったということです。

報告書では年間1万人以上のペースで巡礼者が増えている、スペインのサンティアゴ巡礼路にあるような格安の宿泊施設を整備して、歩いて巡礼する外国人を増やし、遍路文化の維持、継承につなげるべきだと提言しています。

四国経済連合会などは報告書を行政や関係団体などに郵送し、政策の立案に役立ててもらうことにしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190621/k10011963241000.html

菅直人清原和博もこの〈衰退の10年間〉に四国遍路を実践したわけだ。「巡礼者が減っている」という基準は何なのかというのも気になるのだけれど、10年間で「平均」「38%」、「最高で70%」というのに吃驚。これが本当だったら、四国遍路存亡の危機でしょう。もっと長いタイム・スパンで、長期的な減少傾向があるというなら、わかる。この10年の間、311はあったものの、日本が戦争に巻き込まれたわけでもない。大恐慌というべき経済的な危機があったわけでもない。革命的(反革命的)社会変動が起こって、日本がスターリン主義独裁国家或いはファシスト独裁国家になってしまったわけでもない。思いつくのは、民主党の退場と安倍晋三政権の復活くらいなのだ。
或いは、或る種の宗教的覚醒が起こっていると読むべきなのかも知れない。「マイカー」や「バス」を使う邪道の巡礼は廃れているけれど、只管歩くというオーセンティックな巡礼者の数はそれほど変化していないとか。
「歩いて巡礼する外国人を増やし、遍路文化の維持、継承につなげる」というのもなかなか大変なことだ。「四国遍路」を「四国遍路」たらしめている独自性、真言密教コスモロジー弘法大師空海のバイオグラフィ、四国というトポスの重なり合いを多言語で提示していかなければならないし、独自性を呈示すると同時に、異教徒(基督教徒やムスリム無神論者)でも納得可能な個別宗教超越的な〈スピリチュアリティ〉も提示していかなければならない。

SARL accused and expelled

Justin Weinberg “Searle Found to Have Violated Sexual Harassment Policies” http://dailynous.com/2019/06/21/searle-found-violated-sexual-harassment-policies/


カリフォルニア大学バークレー校哲学科は、彼が「セクシュアル・ハラスメントに対する大学のポリシーに違反した」として、ジョン・サールの「名誉教授」の地位を剥奪し、バークレーのキャンパスへの出入りを禁止した*1
ジョン・サール及びカリフォニア大学は2017年3月にサールのかつての教え子からセクハラを巡って訴訟を起こされ、さらに複数の女性に対するセクハラ、或いは「女性蔑視的」「人種主義的」な言動が暴露されていた;


Katie J.M. Baker “A Former Student Says UC Berkeley’s Star Philosophy Professor Groped Her And Watched Porn At Work” https://www.buzzfeednews.com/article/katiejmbaker/famous-philosophy-professor-accused-sexual-harassment
Katie J.M. Baker “UC Berkeley Was Warned About Its Star Professor Years Before Sexual Harassment Lawsuit” https://www.buzzfeednews.com/article/katiejmbaker/john-searle-complaints-uc-berkeley
Claire Newfeld “#MeToo and John Searle, a Year Later” https://medium.com/@Clairizona/metoo-and-john-searle-a-year-later-29959a5e3375


因みに、SARLというスペリングについては、ジャック・デリダ有限責任会社、abc」*2を参照のこと。

現代思想1988年5月号?臨時増刊 総特集 デリダ・・・ 言語行為とコミュニケーション

現代思想1988年5月号?臨時増刊 総特集 デリダ・・・ 言語行為とコミュニケーション

今年も再燃

BIGLOBEニュース編集部「小5女子に体操着の下の肌着・ブラ禁止 汗で風邪引くと禁じる小学校の校則が物議「性的虐待では」」https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0518/blnews_180518_3785777464.html


5月の記事だけど、実はこの問題、昨年の5月にも話題になっていたのだった;


朝日新聞「体操着の下の肌着は禁止。小学校の校則に疑問の声」https://www.huffingtonpost.jp/2018/05/31/no-undershirt_a_23448324/ *1


「汗をかいてそのままにしていると風邪を引く」という理屈だけど、そういうのは、替えの下着を持参すれば解決するわけだ。
ところで、昨年の朝日(『ハフィントン・ポスト』)の記事の最初の方には、6月1日付の記事なのだけど、「運動会シーズンが本格化するなか」というフレーズがある。「運動会シーズン」が秋というのは既に昔の話なのか*2

何故「俗説」は維持されたか

Via https://nessko.hatenadiary.jp/entry/2019/06/19/200148

山陽新聞』の記事;


セミ成虫の寿命1週間は俗説! 1カ月生存「証明」 岡山の高3 学会で最優秀賞
6/19(水) 13:01配信 山陽新聞デジタル


 「セミは地上に出てから1週間程度しか生きられない」というのは俗説で、実は1カ月くらい生きていることを、岡山県立笠岡高サイエンス部の3年植松蒼さんが独自の野外調査で“証明”した。調査の手法と結果を、5月に広島大で開かれた「中四国地区生物系三学会合同大会」で報告。高校生の部(動物分野)で最優秀賞を受賞した。

 調査手法は、捕まえたセミの羽に油性ペンで番号をマーキングして放し、後日、再捕獲を試みるというもの。植松さんは2016年の7月中旬から9月中旬にかけて、笠岡市内の住宅地や雑木林など4カ所でほぼ毎日、この調査を繰り返し、アブラゼミツクツクボウシクマゼミなど計863匹にマーキング。15匹を再捕獲し、4匹を再再捕獲した。

 植松さんは「なかなか再捕獲できず、調査の効率は非常に悪かった」と笑うが、調査の結果、アブラゼミツクツクボウシクマゼミの3種で10日以上の生存を確認。最長生存確認記録はアブラゼミが32日間、ツクツクボウシが26日間、クマゼミが15日間だった。

 植松さんは小学1年生のころから虫に興味を持ち、セミの鳴く時間帯や、雄と雌の羽化の時期の違いなどについて調べてきたという。セミの成虫の寿命の調査は「そもそもセミの死骸を夏の間に見かけることが少ないのはなぜか」と“短命説”に疑問を持ったことがきっかけだったという。

 合同大会の報告で、日本動物学会の研究者らから高い評価を受け、植松さんは「疑問を解決するために、自ら考えて取り組んだ点が認められたのでは」と喜んでいた。現在、調査の精度を上げるため、セミの鳴き声の波形を専用ソフトで解析して、個体をそれぞれ把握する手法の確立を目指している。

 植松さんは昨年8月、クマバチに寄生する南方系の昆虫「ヒラズゲンセイ」を広島県内で初めて発見。生息域が西に拡大していることを証明している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190619-00010002-sanyo-sctch

私も信じていた。「セミ成虫の寿命1週間は俗説」というのは1か月以上生きたアブラゼミが見つかったので、そうだろうとしか言えないだろう。しかし、疑問は残る。何故、「俗説」にも拘わらず寿命は1週間というのが信じられてきたのか? これには、あなたは蝉が1週間しか生きないと誰に教わったのか? という問題も含まれるだろう。大人がそう言っていたから。学校の先生がそう言っていたから。科学啓蒙記事にそう書いてあったから。etc.そして、その大人や学校の先生や科学啓蒙記事の著者たちは何故蝉が1週間しか生きないと信じたのか?

「国会議員のなかに放送大を知る人もいないのだろう」(寺脇研)

澤田晃宏*1「「放送大がなかったら心が折れていた」難関大中退の女子大生が抱く夢」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190619-00000028-sasahi-life


放送大学を巡って。


 文部科学省総務省が所管する通信制大学放送大学は1983年に開学した。教養学部のみの単科大学で、約8万4千人(学部)が在籍する。入学試験はない。授業はBSテレビやインターネットを介して行われる放送授業のほか、全国57カ所の学習センターやサテライトスペースで対面の面接授業がある。放送授業と面接授業を合わせ124単位以上修得し、4年以上在学すれば学士の学位を取得できる。

 開学から36年。変化もある。岩永雅也副学長はこう話す。

「本学の学生調査では、学生の入学目的は開学から長らく『大卒資格を得たい』がトップでしたが、最新の調査(18年)では『教養を身につけたい』がトップです。開学当初は入学者の約7割は高卒者で、大学進学を逃した人たちの機会を保障するセーフティーネットとしての役割が中心でしたが、現在は学部学生の約4割が四大卒以上。放送大学の役割も変わりつつあります」

2017年の澤田晃宏「元文科官僚・寺脇研さん「教育無償化に放送大学の活用を」教育改革に疑問視」というインタヴュー記事*2で、寺脇研*3曰く、

──安倍内閣は目下「人づくり革命」の柱として、選挙の公約にも掲げた高等教育・幼児教育の無償化を進めています。


 安倍政権の「改革」のような拙速な議論ではなく、腰を据えて考える問題だ。例えば高等教育の無償化は教育制度を変えずとも実現できる方法もある。放送大学の無償化だ。「いつでも、誰でも、どこでも学べる」大学として83年に開学した放送大は「文教行政最後のロマン」と称され、学生100万人を目指す壮大な計画だった。しかし現在の学生数はその1割に満たない。これを使わない手はないが、国会議員のなかに放送大を知る人もいないのだろう。

 国立大学だと入学金と授業料で卒業までの4年間で約250万円かかるが、放送大だと70万円程度で、予算も縮小できる。放送大の授業料は年額ではなく、履修科目に応じての授業料であり、納税者の理解も得やすい。こうした案が出てこないのも、場当たり的と感じる理由だ。

たしかネット上で突如放送大学をdisり始めて、実際の放送大学学長に窘められたというちぇんちぇーもいたのだった*4。また、(令和を結局見ることができなかった)花柳幻舟*5放送大学の卒業生。
ところで、放送大学だけではないけれど、通信制の学校には通学制にはない或る種の困難があるよね。