ハルマゲドンは遠い?

妙に品の良いおばさんがエホバの証人*1の雑誌『ものみの塔』(2019年第2号)を配りに来た。特集は、「生きていくのがつらいとき」で、


「自然災害に遭ったとき」
「愛する家族を亡くしたとき」
「不倫されたとき」
「重い病気にかかったとき」
「もう生きていけないと思ったとき」


といった人生の危機に「心の支えとなる」聖書のフレーズが紹介されている。
これらが人生の危機として意味をもつのは、これからも世界が続いていくことを前提としたときだけなので、所謂ハルマゲドンとか終末とかは今のところまだまだ遠い出来事なのだなと、少し安心した。

山形と四川

NHKでは夜の10時半以降全ての番組をつぶして地震津波のことを伝えていた。映像として非常に印象的だったのは、深夜にも拘わらず煌々とした証明に照らされた、避難会場となった何処かの小学校の体育館と、(深夜だから当たり前なのかも知れないのだが)真っ暗で路上には誰もいない鶴岡市の街並みのコントラスト。また、山形放送局のアナウンサーが、山形市は鶴岡からは100km以上離れているので全然揺れを感じませんでしたと実感のなさを伝えているのが興味深かった。
日本海地震が起きる以前に中国の四川省地震が起きていた。
時事通信曰く、


四川省地震、12人死亡=中国
2019年06月18日10時44分



 【北京時事】中国メディアによると、四川省宜賓市*1で17日夜、マグニチュード(M)6.0の地震があり、12人が死亡、125人が負傷した*2震源の深さは16キロ。その後も余震が続き、地元当局は救助と被害状況の確認を急いでいる。
 四川省地震が多発する地域で、2008年5月にM8.0の大地震が起き、約6万9000人が死亡、約1万8000人が行方不明となった*3
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019061800283&g=int

因みに、四川省でいちばん最近起こった大きな地震は、2017年8月に 九寨溝県で起こったマグニチュード7の地震*4
See also


環球網「四川宜賓地震已造成11人死亡,122人受傷」https://baijiahao.baidu.com/s?id=1636658421786449974&wfr=spider&for=pc

*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180713/1531501196 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/03/23/010909

*2:CCTVによれば、死者は1人増えて、13名。See http://finance.china.com.cn/hz/sh/hao123dh/20190618/13339.shtml

*3:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080513/1210644527 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080519/1211168516 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080521/1211335728 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080520/1211251523 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080523/1211476412 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080605/1212682633 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080608/1212907235 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080610/1213025511 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080613/1213324521 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080619/1213880351 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080620/1213934624 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080625/1214362671 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080717/1216269972 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080809/1218252114 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081224/1230088629 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090723/1248375159 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100719/1279512424 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101126/1290786025 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101217/1292560298 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110119/1295413610 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110601/1306897154 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110617/1308337377 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130427/1367081697 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140805/1407169273 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20140906/1410020354 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160415/1460648517

*4:See https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170809/1502248751

たぴおかやくざ

鈴木智彦「タピオカがヤクザの資金源に 「こんなに楽な商売はない」」https://news.livedoor.com/article/detail/16631247/


日本に帰ってきてから驚いたのは、珍珠奶茶がブームになっていたこと。10数年前の上海か。そのブームに便乗して、シノギにするやくざの話。
また、


タピオカ屋は、彼らにとって突飛な商売ではない。暴力団は犯罪組織というよりよろず屋で、幹部や組員たちはそれぞれ個人事業主であり、合法、非合法にかかわらず、様々な仕事で金を稼いでいる。

 ヤクザの商売といえば、非合法、または非合法スレスレというイメージがあり、インターネットカジノや裏DVDの販売、非合法な風俗店、繁華街のぼったくり店を想像するかもしれない。その手の店が暴力団に寄生されやすいのは事実だが、“グレーな商売”ばかりが暴力団シノギではない。

 これまでも、首都圏でそこそこ知られた喫茶店チェーンを暴力団組員が経営していた例を取材したし、一昔前、バターをふんだんに使った高級食パンがブームになった際、関西の有名店を経営していたのは九州の指定暴力団だった。当時、私が在籍していたヤクザ専門誌にその団体の幹部も連載していたため、編集部にはいつもそのパンが差し入れられた。第3次ブームとされるタピオカ同様、高級食パンも再びブームだから、また手を出しているヤクザがいることだろう。

ただ、これはこの前に引用された、

「コストをかけずにブームのうちに稼ぎ、潮が引いたら撤収するつもり。だから店舗より移動販売がいいかもしれない。ヤクザ、カタギに関係なく、経済活動は楽して暴利、一攫千金が基本。クオリティを下げて儲ける努力はしても、こつこつ努力していいものを作るなんて愚の骨頂」
というタピオカやくざの発言とはちょっと矛盾する。

暴力団が表看板としての正業を持つようになったのは、それまでメインだった賭博事犯が非現行犯で逮捕・起訴されるようになり、違法行為に依存すると行き詰まるという危機感からだった。そのため山口組三代目組長の田岡一雄は、常々組員に「正業を持て」と言い続けた。
これは「やくざ」と「テキヤ」の境界が曖昧化し、両者が混同されるようになった契機のひとつか*1

どう生きるか/生かされているか

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

漫画 君たちはどう生きるか

漫画 君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか*1を巡る若松英輔*2のツィート。


若松英輔@yomutokaku

『君たちはどう生きるのか』と吉野源三郎をめぐって小さな本を書きたい。この本は単に「どう生きるか」だけを書いた本ではない。むしろ過去の先人や同時代の隣人によって、どう「生かされてる」かを発見し、認識しようとする一冊だった。そして、戦争に突入していく日本を意識して書かれた本だった。

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9:11 AM - 17 Jun 2019
https://twitter.com/yomutokaku/status/1140653220085166085


もう一つ、『君たちはどう生きるのか』ブームでよく理解できないのは、作者である吉野源三郎の仕事に関する発言が少ないことだ。彼は、岩波少年文庫の設立にもかかわった。彼は、若い人、ことに中高生に期待し言葉をつむいだ。太平洋戦争を経験し、彼は大人たちの無節操さ、無力さに失望していたのだ。

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9:03 AM - 17 Jun 2019
https://twitter.com/yomutokaku/status/1140651097998016512

何故か「セーラー服」

承前*1

「富山猫50匹殺し 52歳男宅に猫捕獲器とセーラー服「趣味だ」」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190616-00000016-pseven-soci


富山の猫殺しについての『週刊ポスト』の記事。犯人の部屋についての証言。証言しているのはこの男に飼い猫を拉致され・殺された人。


(前略)飼い主はこの男性宅で、“不審なもの”を目撃している。

「男の自宅に入ると、猫の捕獲器があり、さらに仏間には仏壇と向かい合うようになぜか女子学生のセーラー服が掛けてありました。男は『趣味だ』と言ってましたがよくわかりません。付近には児童公園もありますし、この気味の悪い事件を早く解決してほしい」

思わず笑ってしまった。しかし、「セーラー服」へのフェティシズムと猫殺しとは取り敢えず関係ないだろう。
また、『東京スポーツ』の記事;

志らく 猫50匹殺害男に再犯の可能性を指摘「次の犯罪につながるのが怖い」
6/14(金) 15:06配信 東スポWeb


 14日放送のTBS系「ひるおび!」は、他人の猫を盗んだとして富山市の無職男(52)が窃盗容疑で逮捕された問題を取り上げた。

 男は「1人暮らしで誰も相手にしてくれなかった」と身勝手な犯行理由を主張。ストレス発散のため何の罪もない猫を虐待、殺害していた。

 落語家の立川志らく(55)*2は「全く意味が分からない。それも50匹も…。人が飼っている家族同様の猫を捕まえてきて、それでストレス解消で殺されちゃったら猫もそうだし、飼い主だってたまったものじゃない」と大激怒。

 一方、「(これで)余計にまた1人になる。次のほかの事件になるのが怖い。罰せられて出てきたとしても、次の犯罪につながるような気がして」と男が懲りずにさらに非道な犯罪に手を染める可能性を危惧した。

 八代英輝弁護士(54)*3は「人が大切に飼っている猫を盗んでっていうのは窃盗。10年という刑も考えられる。考えられる一番重い刑を科してほしいと思うほどひどい。理解できない」と断罪した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190614-00000028-tospoweb-ent

最近の炎上に懲りて、猫を巻き添えにするな、独りで死ね、とは言わなかったのね。
「考えられる一番重い刑を科してほしい」というのは人情なのだろうけど、それでは済まないところがある。性犯罪者でもそうなのだろうけど、刑が軽くても重くても、獄中でルサンティマンを貯めて、凶悪さを倍増させて、娑婆に帰還ということになる可能性がある。必要なのは、犯人が自分が猫に執着するに至った経緯についての知的な洞察を獲得することだろう。つまり、何よりも哲学的な意味での反省が必要だということだ。
なお、「 1人暮らしで誰も相手にしてくれなかった」という寂しい罪人を更生させるもの、それは〈愛〉なのだけど、〈奇蹟〉でしかあり得ない。まさに『美女と野獣*4のテーマ。

古典的ないじめの手口だけれど

共同通信の記事;


男生徒が下着脱がされる動画拡散 岐阜県立高の教室か
6/17(月) 22:58配信 共同通信


 岐阜県立高とみられる教室内で、男子生徒が複数の生徒に無理やり下着を脱がされている動画がツイッターに投稿されて拡散し、同県教育委員会が、関わったとみられる生徒への聞き取りなど事実関係の調査を始めたことが17日、県教委などへの取材で分かった。

 動画は15秒ほどで、1人の男子生徒が複数の男子生徒に羽交い締めにされ、ズボンを下ろされて下着を脱がされる様子が撮影されており、生徒の笑い声も入っている。県教委によると、生徒の制服や教室の様子などから、同県海津市の高校とみられる。

 動画は16日に投稿され、同日中に動画に気付いた高校が県教委と県警海津署に相談したという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190617-00000160-kyodonews-soci

「1人の男子生徒が複数の男子生徒に羽交い締めにされ、ズボンを下ろされて下着を脱がされる」というのは古典的ないじめの手口で、昔から行われていたけど、その動画が全世界的に拡散されてしまうというのは新事態だといえる。
RTが重ねられたおかげで、私もこの動画を視た。動画を撮影したり拡散したりした奴は気づいていたかどうかは知らないけれど、加害者のうちの、少なくとも1人の顔はしっかりと写っていた。

「感謝状」

毎日新聞』の記事;


「男女平等推進に貢献」フィンランド上野千鶴子さん表彰
6/17(月) 20:20配信 毎日新聞


 ジェンダー研究のパイオニアとして知られる社会学者の上野千鶴子さん*1に、フィンランド政府は17日、日本社会の男女平等の推進に貢献したとして感謝状を贈った。フィンランド大使館(東京都港区)でこの日開かれた表彰式で、タルヤ・ハロネン元大統領から感謝状を手渡された上野さんは「この上もない光栄」と喜んだ一方、「日本女性の低い地位を世界に宣伝することになった」とも話した。

 フィンランドは国会議員の約半数を女性が占めるなど男女平等で知られる。今回の表彰は、平等に関する議論を世界中で巻き起こす目的で同国が今月始めた「ハン・キャンペーン」*2の一環。「ハン」はフィンランド語で彼や彼女を意味する三人称で、性別の区別がない点で平等を象徴している。上野さんの他、シンガポールクロアチアなど16カ国の団体や個人が選ばれた。

 表彰式でハロネンさんは、上野さんについて「性差別や性暴力など論議を呼ぶ問題を根気強く取り上げ、日本の男女平等推進に向け議論を引き起こした」とたたえた。また、上野さんが今年4月、東京大の入学式の祝辞で「大学でも性差別があり、頑張っても公正に報われない社会があなたたちを待っている」などと述べたことも選考理由の一つになったと説明した。

 上野さんが、フィンランド初の女性大統領となったハロネンさんに「女性があなたのような指導者になるには何が必要か」と問いかけると、「努力も必要だが、ユーモアがうまく生き抜く助けになる」と回答。「フィンランドでも男女のキャリアや給与面で『見えない差別』はあり、新政府は男性の育児休暇取得を推進している。社会の変化は時間がかかるけど必ず実現できる」と力を込めた。【竹内麻子】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190617-00000065-mai-soci

See also


Foreign Ministry, Finland “Finland expresses its gratitude for contributions to equality with special recognition – Chizuko Ueno from Japan among the first recipients” https://finlandabroad.fi/web/jpn/current-affairs/-/asset_publisher/h5w4iTUJhNne/content/--9-29/384951

*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050523 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050619 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060112/1137080760 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060117/1137460875 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060124/1138066353 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060202/1138898806 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060208/1139371656 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060209/1139452644 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060219/1140364435 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060312/1142190612 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060912/1158067383 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070422/1177265280 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070606/1181094168 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080622/1214156698 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080718/1216350252 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080825/1219599350 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090108/1231428497 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090716/1247679249 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090917/1253198544 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091118/1258573653 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091127/1259334346 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100105/1262664650 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101118/1290096150 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101124/1290623454 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110118/1295373044 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110202/1296628031 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110205/1296875307 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110208/1297142653 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110215/1297745581 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110331/1301545326 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110403/1301824791 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120309/1331261141 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20131218/1387381317 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20131221/1387632716 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20131222/1387687939 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20140106/1388966577 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20140315/1394852680 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20140316/1394932920 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20140317/1395048291 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20150405/1428264789 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20150722/1437495473 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20151129/1448815193 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160129/1454091286 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160627/1467026912 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160816/1471368314 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170512/1494553215 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20171024/1508822563 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20171214/1513220987 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180618/1529290063 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180628/1530119987 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180709/1531098541 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180820/1534742437 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/03/02/221503 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/04/14/022559 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/04/15/225426 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/05/29/103317

*2:https://finland.fi/han/